フランス女性のような「精神の自由」をインストールしよう

 アラサー読者の皆さんが40代になるのを怖いと思ってしまうような40女になってしまわないことが、私を含む今の40女たちの使命でもあるように思います。そしてさらに年を重ねても、パリのカフェにいた老婦人たちのように、後で振り返ったときに「どう? 輝いているでしょう? 美しいでしょう?」と初対面の人に向かって肯定を柔らかく強要(笑)するくらいの、自己肯定感とユーモアに満ちた女でいたい。

 妬まない、ひがまない、良くも悪くもミーハーで自分なりの「更新」を繰り返せる、精神の自由をインストールした女でいたいです。

自己肯定感とユーモアに満ちた女でいたいです (C) PIXTA
自己肯定感とユーモアに満ちた女でいたいです (C) PIXTA

 冒頭の、フランス在住経験の長い日本人女性が言いました。「パリ郊外のひとけのない田舎道で、歩いているのは私と、白髪のおばあちゃんしかいない時に、後ろで『マドモアゼル! (未婚の若い女性を呼ぶ言葉)』と誰かを呼ぶ男性の声がしたんです。そうしたら、私の前を歩いていた70代以上としか思えないおばあちゃんがハッと振り向いたんですよ。いくつになっても、『女』であることを意識しているフランス人女性らしさを感じるとともに、私にはできないと思いました(笑)」

 たとえ70代であっても「マドモアゼル!」と呼ばれたら、「それは私のこと?」と振り向く自由な精神がまぶしいかぎり。そういう女に、私もなりたい!

文/河崎環 写真、イラスト/PIXTA