あっという間にすっかり秋めいてしまって、戸惑うほど。今年の夏の私は本当にさまざまな方をインタビューし、お話を伺って、たくさんの発見がありました。その中に、全くの偶然で二度出合った言葉があります。——「妹たち」という言葉です。

頑張ってきた世代だから直面する壁

 初めに聞いたのは、都心の有名女子一貫校卒業生へのインタビューでした。いわゆるお嬢様学校として知られ、キリスト教による教育を特色とするその学校では、女子生徒たちは登下校から学校行事の隅々にいたるまで、日ごろお互いを「妹たち、お姉さんたち」と呼ぶ先輩後輩の強い絆に結ばれています。

 もはや40代となった卒業生たちが、卒業後もなお「その時代に年齢の異なる女子生徒同士で教え、教えられ、助け、助けられた経験が社会人としての私を形つくっている」「女性として自分がどう社会に貢献するかを考えるときの基軸となっている」と語る真っすぐな目に、「これは、世間が意地悪く呼ぶ『お嬢様学校のなれ合い』なんかじゃない」という強い印象を持ちました。

 二度目に耳にしたのは、ある40代女性ニュースキャスターとのお話の中でした。女性同士の競争がさぞかし激しいのでは……と部外者からは邪推もされかねない業界で、彼女は「妹たちのために何ができるか」と、後進の女性たちに背中を見せる自分のモットーを表現したのです。

 「オフィスで女同士がいがみ合う」なんていうのをよく見聞きする中で、お気に入り同士や似た者同士で派閥や徒党を組むのとは別の次元で「女同士で助け合う」一本の筋が通っている人の理由は、なんなのだろう。突如、そんな疑問が湧きました。

あなたの「妹たち」はどんな人ですか (C)PIXTA
あなたの「妹たち」はどんな人ですか (C)PIXTA