またERAは、報道内容は憶測の域を出ていないと指摘した上で、「このような報道が、タレントたちに対して不当な圧力を与え、結婚、妊娠を始めとする人間として大切な自由と権利を不当に制限する原因となりかねない」と、芸能報道の姿勢に釘を刺しています。

 一般人の世界でさえ、結婚や妊娠で退職などの不利を迫られたりするマタハラが大きな社会問題となっているのに世間の注目を一身に浴びる芸能界のこととなると、世間は何の疑問も遠慮もなく、とんでもない前時代的で非礼な基準を持ち出して「罰する」。しかも相当にゲスな発言を平気で垂れ流して。そんなことに気付かされたのでした。

私たちはあの報道を見た瞬間、何を感じたのだろう

 では翻って、同じ女性である私たちは、武井咲さんが実にこの人気絶頂でメディア露出も絶えない時期に、同じく大人気のEXILEのボーカルTAKAHIROさんと「交際していた」「結婚する」「そして妊娠中である」と聞いたあの瞬間、正直にどう思ったのでしょうか。

 「イケメンの大物と結婚? さっすが武井咲ちゃん!」「TAKAHIROファンだったのに、クヤシイ~」「おお、掛け値無しの美男美女! これはベビーも美形だわ」。そんな屈託のない反応もあったでしょう。

 一方で、「仕事、どうするんだろう」とは思いませんでしたか。そして、一瞬でも「周りは大変だろうな」「デキ婚で強行突破かぁ……」「ひゃー、今の武井咲レベルだと10億円という(憶測に過ぎない)ペナルティー額なのか、すごい損失!」というネガティブな感情が湧いたりしませんでしたか。

「え? デキ婚? 仕事どうするの?」と思った人はいませんか? (C) PIXTA
「え? デキ婚? 仕事どうするの?」と思った人はいませんか? (C) PIXTA