「我々ジジ世代にとって昨今の最重要事項、それはトラブらない恋愛。そう、我々は今、本気で不倫したいわけでもその日に“ゴール”したいのでもなく、女子とドキドキ感を味わいながら恋人気分のお食事デートがしたいのです。それにはスキンシップが必須。手を握れたり、ハグできたり。でもあえてそこで我慢」

 ほほう、そういうものか〜と、私は膝を打ってしまいました。ジジたちは、もう妙にみなぎった時期を過ぎたからこそ、良い空間で、良い相手を前にしっとりゆったりと“ドキドキ”したいだけなのですね。

 で、ジジ世代ならちゃんと正妻(パートナー)もいるんだろう? とのツッコミに対しては、そのあたりぬかりなく「マダム」という呼称で配偶者を呼び、ちゃんと大事にして一緒にいい車に乗ってドライブしたり、美術館へ行ったりして、自分の「カッコつけ」でマダムの見る目を変えようぜ、なんてことも言っています。

 ジジたち、わりと「枯れ」を自覚して、まっとうなんですよね。122ページでED治療薬特集をしていても「同胞の皆さん、共に長生きしようじゃないですか」なんて締めくくって、本当にかわいげがあって、いい。

一方、ジジ世代の「ババ」たちは…

 仕事も現役を退いたジジたちが、バイアグラをお財布に忍ばせながらファッションに凝ったり、車をメンテナンスしたり、おいしいものを食べたり、シガー吸ったりゴルフしたり。その一方で、同世代の女性たちは家事育児から解放され、韓流やらジャニーズやら三代目Jやら宝塚やら全開で趣味の道を爆走し、一気にロックな生き方に目覚めているという話も……。
(参考:博報堂 新大人研レポートNo.28 新しい大人へ:オンナも変わるオトコも変わる その① 40・50・60代女性は“自分爆発レディ”/記事末参照リンク)

 これまで私は「中高年世代の女がきれいなファンタジーに走って同世代の男に見向きもしないから、ジジたちが若い女にいってしまうのか、その逆なのか?」「同じくらい暇とお金があるならそこでくっつきゃいいじゃん」なんて考え、中高年男女のマッチングがなされていないと信じて嘆いていたのですが、「GG」を読んで考えが変わりました。

 たぶん、ちゃんと遊んできたジジたちは、パートナーのことも大事にできるんです。そして、パートナーの側も、ジジと同じく戦後に生まれバブルを走り抜け、良いものも良い人もたくさん知って味わってきたから、そこは「戦友」としてジジを大事にできるのかもしれません。

正妻は「マダム」と呼び、「ちゃんと」大事にしているジジ世代 (C)PIXTA
正妻は「マダム」と呼び、「ちゃんと」大事にしているジジ世代 (C)PIXTA