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タラレバ賞賛派と批判派を分ける決定的な何かとは?

2017年3月29日

「東京タラレバ娘」に見る、恋愛漫画をめぐる「あちら側」と「こちら側」

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 先週は「東京タラレバ娘」のドラマが最終回を迎え、ドラマなりの着地点へと到達しました。原作ファンたちからはキャスティングにも内容にも様々な意見が上がっていましたが、私は最終回を見終えて、これだけ熱狂的なファンが多く賛否両論、注目も浴びたドラマ化でのキャストの大健闘に、拍手を送りたい思いでいっぱいでした。

そんなにタラレバは「安易」で「表面的」で「女性蔑視」なのか?

 しかし、その直前にネットで大きな話題となったのが、男性の女子マンガ研究家・小田真琴さんによる、「東京タラレバ娘」原作漫画への批判的レビュー。
「『東京タラレバ娘』で“説教芸”に興じる東村アキコは、愚かなお笑い芸人のようだ」(小田真琴/サイゾーウーマン/記事末URL参照)

 「東村アキコさんのファンなだけに、今作はまるで愚かな説教芸。女性差別的で陳腐で不快」と、東村さんのこれまでの作品や他の作者による有名作品にも言及しつつ、失望を隠さずに厳しい批判を繰り広げています。

話題を呼んだ「東京タラレバ娘」。発行されている全7巻の表紙を並べてみた

 タラレバ原作が持つ、現代女性の価値観・社会観や心理に大ナタを振るうような破壊力を高く評価し、これまで発行済みの7巻を大事に読んでいる私としては「寝耳に水」状態で、がぜん興味を持ちました。

 このコラムはSNSで広く共有され、多くの共感を呼んでいました(togetter/記事末参照)。ですが、タラレバ批判に賛同する意見の中にも「女性蔑視」「『逃げ恥』に比べると現代社会の構造に無批判すぎ、自己責任論的で、社会論考が著しく薄い」とするものが目立つのを見ると、それは女なるものについて敏感なアンテナを持って物書きをしていたいと思っているはずの私の意見とは真逆だったので、違和感……というよりは、純粋な疑問が生まれたのです。

 タラレバは女性蔑視だろうか? そんなに表面的に過ぎず、現代社会への論考が甘いだろうか? そんなにダブルスタンダードで言い訳がましくて説教臭いだろうか? そんなに「今まで東村アキコ先生の作品は大好きだったのに、タラレバ以降、有名になってからの作品は世間の需要に安易に応えてばかりで変わってしまって、がっかり」だろうか?

 そして、そう感じる人はなぜそう感じるのだろうか? 一方、私はなぜそう感じないのだろうか?

 いろいろ考えて思ったのですが、それはきっと人間誰もが抱える孤独へのそれぞれのアプローチの違いでもあり、決定的な「とあるもの」がタラレバ賞賛派と批判派を分けているようだ、との結論へ考え至りました。

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河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
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