私たちはファッションに勇気をもらっている

 みんなと同じ格好をすることに本当は抵抗があると答えてくれた人、そんなに抵抗はないと答えてくれた人。色々な答えがある中で、多分お仕事女子の最大公約数であろうと思われるのは、オトナ女子からのこんな意見でした。

◆人と同じ格好をするのは、目立ちたくないときは都合がいいけど、自分をアピールしたい場ではふさわしくないと感じます。仕事上での装いならなおさら、周りと同じ格好をするのにはちょっと抵抗もありますし、人と丸かぶりはさすがに恥ずかしい。ワンポイントでもいいから、人とは違う、自分の気分が上がるアイテムを選んで、定型の中で工夫して遊ぶのが好きです。(30代後半)

 中には、ファッション上級者過ぎて達観してしまった人もいます。

◆高校の時に服に燃え過ぎて、大学生の時には既に飽きており、今はますます、人と同じ格好をすることへの抵抗がないです。全身GU・全身ユニクロの日がほとんどですし、それ以外だとWEAR(コーディネートサイト)でトレンドのものを買います。2015~2016年に美容系の実用書がはやってノームコアの多大な影響を受けてしまい、「個性的」よりも「普通をちゃんとできてる」ほうがオシャレなのでは?という思想です。大学時代にライブハウスでアルバイトをしていた時、見た目が微妙な人ほど奇抜な服を着ていたので、思い返すとこれも個性への執着がなくなったきっかけの一つかもしれません。(30代前半)

 こちらのファッション上級者さんは「高校時代の名残なのか、初対面の相手と仲良くなれそうかどうか服を見て判断してしまうことが多く、前職で採用面接をしていた時も、服で雰囲気などを見ていました」とのこと。うんうん、ファッションは完全に自己表現、内面からそこに映るものは実際大きいですものね。だからこそ、私たちは自覚的な「コスプレ」によって、その日の大舞台に臨む勇気をもらうことも多いのだと思います。

自覚的な「コスプレ」によって勇気と自信を得られます (C)PIXTA
自覚的な「コスプレ」によって勇気と自信を得られます (C)PIXTA

◆そういえば、大人になってディズニーランドに行った時、ディズニー色に染まるのには抵抗があったのに、夢の国に入って10分でテンションが上がってミニーカチューシャを購入。その日一日はどっぷり楽しめました。コスプレって、気持ちに直結するなと思います。(30代後半)

 その通り、気持ちを上げるコスプレのためのさまざまな魔法が用意されているのが、女子でいることの恩恵でもあるのかも。「小さい頃に花柄やフリルを着たかったのに着られなかった子どもは、大人になってからピンクや花柄やフリフリに走ってしまう」という説もありますが、20代後半でうっかり自宅を総バラ柄、パジャマやスリッパもフリルピラピラにしてしまったイタい私(外には着て行かなかったことを評価してほしい)をはじめとして、望むと望まざるとにかかわらず、ファッションに女の人生あり。

文/河崎環 写真/PIXTA