捨てられない、整理ができない、収納ができない……。悩みの種の片付けや整理整頓ですが、「本当はとってもクリエーティブな家事なんですよ」と言い切るのは、整理収納アドバイザーの山口奈穂子さん。現在では家事代行スタッフなどの指導も手掛ける山口さんに、そのノウハウを質問。さらにご自宅に伺ってヒントを教わりました。

(C)PIXTA
(C)PIXTA

 家事代行サービス「カジタク」で、片付け・整理収納を中心に活躍する山口さんは「片付けは、技術です。苦手な人はポイントを少し外しているだけですね」といいます。整理収納アドバイザーとは片付けや収納のプロなわけですが「実は、『以前は汚部屋に住んでいた』という人もいます。やり方を知り、コツさえつかめば、きっと多くの人が片付け上手になれると思います」。これは心強いお言葉です。

 では、いきなり本題をお聞きしたい。片付けのコツを教えてください。

コツその1:自分に合った「物の定位置」を決める

 「まず、よく言われることですが『物の定位置を決めること』です」(山口さん)

 ちょっと待ってください。置き場所を決めて、使ったら元の場所に戻せれば散らかりませんよね。それができていないので行動から変えないといけないですよね。自分だけでなく、家族も。どうやったらできますか?

 「行動を変えるということもありますが、その前に、理由とともに定位置を決めるのが大事です。なぜこれをここに置くのか? の理由が、その人の生活にちゃんと合っていることが成功のコツです」(山口さん)

 自分がしっくりくる「理由」に基づいて定位置を決めるというのが大事。そのためにも、自分の日々の暮らしの現状とともに、理想形を考えてみるのがいいそうです。

 メイクはどこでしますか? ベッド脇のドレッサーですか? それとも洗面台ですか?

 メイク道具はどこに置いていますか? そこの場所で便利ですか?

 デスクや本がリビングルームでも「心地よい」ですか? など……。

 この作業はゾーニングというんだそうです。今ある位置よりも、ちょっとベッドやテレビの位置を変えてみたらもっと快適になるかもしれないので、試行錯誤してみることも大事。大まかなゾーニングができたら、メイク用品はメイクのゾーンへ、書類はデスクのゾーンへ、本は本のゾーンへと集めていきます。このようにグループ分けした上で、物一つひとつに「指定席」を作ります。

 飛行機の機内で、お手洗いに行くために席を立っても、同じ座席に戻るのと同じように、物を使ったら必ず指定席に戻せるのが、最適なグループ分けというわけです。

<次のページからの内容>
● 自分にとっての「適量」を知ってキープ
● 片付けの軸は「物」と「場所」の2つ
● ご自宅訪問! グルーピングと収納のヒントに注目しました