提案その2 おやつと飲み物は不足する栄養が取れるものに替える
「働き女子白書」から分かったのは、週61時間以上働き、オフィスにいる時間が長い女性ほど、洋菓子、和菓子、せんべいといった菓子類をたくさん取っていること。菓子類をよく食べる人は、砂糖の主成分であるショ糖、悪玉コレステロール値を上げる原因になる飽和脂肪酸の摂取量が多く、健康維持に必要なカリウム、マグネシウム、葉酸が特に不足していて、栄養状態がアンバランスになっていた。
洋菓子好きと、冷え、肩凝り、肌荒れなどの不定愁訴の関係
「洋菓子をよく食べる人ほど、冷え性、頭痛、便秘、肩凝り、不眠、肌荒れなどの不定愁訴を多く抱えていました。オフィスに必要なのは、おやつ革命です。仕事の合間におやつや飲み物を取るなら、ドライフルーツ、ナッツ類、果物、スープ、プリン(生クリームなし)、海藻スナック、甘栗、ヨーグルト、ビターチョコレート、アーモンドドリンクなど、不足しがちな栄養素が取れるものを選ぶようにしましょう」と細川さん。
鉄分やカルシウムが手軽に取れる機能性表示食品や特定保健食品を活用する手もある。
提案その3 食物繊維を取って熟睡感UP
食事やおやつで食物繊維をしっかり取るのも、不調を解消するポイントの一つ。細川さんは食物繊維と睡眠の関係に注目している。
「米国コロンビア大学の研究で、食物繊維を多く摂取している人は、同じ睡眠時間でも眠りが深い時間が増加することが分かっています(※3)。この研究では、脂肪や糖分を多く摂取している人は眠りが浅く、睡眠の質が低下していたと報告されています。また、東京・丸の内の働く女性を対象にした調査では、熟睡感が低い群では『精神的アップダウンがある』割合が高くなっていました。腸には睡眠に関わるホルモンに影響を与える働きがあり、現在その仕組みの解明が進んでいます。仕組みが完全に分かっているわけではありませんが、睡眠に関わるホルモンは腸で生成されるため、食物繊維を豊富に取って腸内環境を良好にすると睡眠の質が上がり、精神的アップダウンも少なくなるといった研究報告があります」(細川さん)
食物繊維には水に溶ける水溶性と、溶けない不溶性の2種類がある。水溶性食物繊維は腸内をゆっくり移動して、糖質の吸収を緩やかにし血糖値の上昇を防ぐ役割も果たしている。また、腸内細菌のエサになるのも水溶性食物繊維。エサを食べた腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸という成分は、血糖値やコレステロール合成の抑制、ミネラルの吸収促進など、全身の健康維持に大きな役割を果たすことが分かってきている。
一方の不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸のぜん動運動を促し便通をスムーズにするなどの働きが。水溶性食物繊維が豊富な食品は、海藻、大麦、オーツ麦など。不溶性食物繊維は、雑穀類、いも類、野菜、豆類、果物、きのこ類などに多く含まれる。