自宅尿検査で栄養チェック
尿を送ることで体に吸収された栄養素を推定する検査も登場している。
「どんなに食べ物に気を付けても、体質などによって栄養の吸収代謝や貯蔵能力には個人差があります。より実態に近い栄養状態、つまり体内で何の栄養素がどれだけ使われたかを知る方法として、食べる=入口ではなく『出口』に着目しました」と話すのは、2017年に世界初となる、自宅でできる尿検査キット「VitaNote(ビタノート)」を発売したユカシカドの広報担当、石田幸輔さん。
「VitaNote」は滋賀県立大学との共同研究で開発。食事として体内に入った栄養素が消化吸収される過程で代謝された成分が、尿から排出される。VitaNoteは代謝物などから体内に吸収された栄養素の種類や量を推算する。方法は簡単で、一般の健康診断と同じ要領で、朝一番の尿を採って郵送するだけ。針を刺すこともなく、医療機関に行く必要もない。
検査項目はたんぱく質、水溶性ビタミン7種、ミネラル6種、酸化ストレス度の計15種類※。年齢や体格等のプロフィールを考慮し、最新の「日本人の食事摂取基準」と照らし合わせて過不足を判定する。結果は改善アドバイスとともにWEB上のユーザ専用ページに表示される。
持病があっても妊娠中でもOK。「対象年齢が1歳からなので、家族全員で使ったり、成長期の子どもの栄養把握に使っていたりするお母さんもいます」(石田さん)。アドバイスを参考に食事を変えたら3カ月~半年で栄養状態が良くなったという利用者からの声も多い。一定期間ごとに改善状況をチェックできる定期購入システムもある。
たんぱく質、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、モリブデン、酸化ストレス度の15項目。
※脂溶性ビタミン(A、D、E、K)、鉄、亜鉛は含まれていない。