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葉酸・鉄…妊活女性も誤解している栄養管理のはなし

2018年10月3日

「知らなかった」とならないように…

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 妊活をしている女性の多くが知らないか、もしくは誤解している、「元気な赤ちゃんを産む」ために留意したいポイントがある。1つは栄養成分、葉酸の摂取開始のタイミング、もう1つは母体の検診だ。いずれも、妊娠したことが分かってから始める人が多いようだが、それでは「タイミングが遅すぎる!」。妊活の2つの誤解についてお伝えしよう。

 妊活に関心がある人なら、葉酸が「妊婦のビタミン」と呼ばれていることは知っているだろう。けれど、妊娠してから摂り始めたのでは、最も重要な摂取タイミングには間に合わない。その事実まで知って、正しく実行している人はどれだけいるだろう。

 紹介する1つ目の妊活の誤解は、「葉酸を摂取するタイミング」。

 ブロッコリーやホウレンソウ、枝豆などの緑黄色野菜や鶏レバーなどに多く含まれる葉酸は、赤ちゃんの先天異常のリスクを下げることが分かっている栄養素。ちなみに、日本の先天異常児の発生率は、50人に1人(日本産婦人科医会先天異常モニタリング2014年)程度と、決して少なくない。

 例えば、胎児の神経管(脳や脊髄の発生過程で形成される)は受精後28日から6週末までに完成するが、この間に母体に十分な葉酸がないと、二分脊椎など神経管の先天異常リスクが高まることがわかっている。

 しかし、そもそも妊娠が確定するのは心音が確認される6週目ごろ。さらに、女性自身が妊娠に気づくのも早くて6週目くらいで、7、8週目を過ぎてからのことが多い。だからこの時点で葉酸を取り始める人が多いのだが、そのタイミングでは、できあがっている部分もある、ということだ。

 日頃から十分な栄養がとれていればこんなことを心配する必要もないが、日本人の若い女性、特に20代の栄養状態は、戦前と同レベルという悪い状態にあることが問題視されている。

 妊娠前のみならず、妊婦になってからの平均栄養摂取量を見ても、1日推奨量に対して葉酸の充足率は48%、葉酸と並んで妊娠中に重要な栄養素である鉄は28%、ビタミンDは67%という具合で、母体の栄養不足は甚だしい(平成24年国民健康・栄養調査、日本人の食事摂取基準2015年版より)。

 妊娠を計画している女性に推奨されている葉酸の1日摂取量は640μgで、妊婦になってからの480μgよりも多い。だが、食事だけで必要量を毎日摂るのは難しいため、日本産婦人科学会のガイドラインでもサプリメントでの補給が有効と記されているくらいだ。

 実際、二分脊椎の日本での発症率は増加傾向が続いている。厚生労働省は2000年から妊娠を計画している女性に、「妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月までの間、葉酸をはじめ、その他のビタミンなどを多く含む栄養バランスのとれた食事が必要である」と摂取を推進しているが、「妊娠1カ月以上前から」という情報は十分に浸透しているとは言えない。

 国外に目を向けると、米国では92年に1日400μgの葉酸を妊娠が可能な女性が摂取するように勧告が出され、98年からは米国やカナダの政府機関がシリアルやパンなどの日常食品に葉酸を添加するよう推奨。葉酸充足率は上がっている。そして、二分脊椎の発症率は減少傾向に転じている。

神経管の先天異常の1つ、二分脊椎の発症率が、増加傾向を続ける日本(データ:International Clearinghouse for Birth Defect Surveillance and Research.Annual Report 2013より作図)

 妊娠前からの栄養状態が胎児の体の重要な器官の形成に影響を与えるのは、神経管だけではない。「心臓は受精後22日で拍動を開始する。ほかにも多くの器官が、受精後約2週から8週くらいの間におおかた完成してしまう」と国立成育医療研究センター母性内科の荒田尚子医師は話す。十分な量の葉酸は心臓の先天異常のリスクを下げることも分かっている。

妊娠したと気づく6、7週目にはすでに、重要な部分ができ上っている器官も

 また、ビタミンDは卵子の生育に欠かせないため、不足していると、そもそも妊娠しにくくなる。無事に妊娠しても母体のビタミンD不足は胎児の発育に影響し、赤ちゃんが2500g以下の低体重で生まれやすくなるのだ。母体の栄養不足、つまりお母さんの痩せすぎは低出生体重児を招き、小さく生まれた赤ちゃんは、将来、肥満や2型糖尿病、高血圧、心臓病などの病気にかかるリスクが高まることが分かってきている。

 母親が妊娠3カ月までに栄養不足を経験すると、生まれてきた赤ちゃんの63歳時点での死亡率が約10%も上昇するということも報告されている。

 このように、妊娠が分かる前からの母体の栄養状態が、妊娠の成立や、赤ちゃんの一生の健康に大きく影響を与えることを最近の科学は明らかにしてきているのだが、現実には、妊娠が分かってから栄養に気を使い始める人が多いのが気がかり。

日本の低出生体重児(2500g未満)の割合は、80年代にはOECD平均より低かったが、近年は先進国で最悪レベルに。(OECDデータ2013より)

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