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「健診で貧血なし」でも肌荒れがあれば「隠れ貧血」?

2018年10月18日

50歳未満の4割以上は隠れ貧血、特に妊活女子は注意

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 50歳未満の日本人女性の約5人に1人が貧血だ。貧血は目まいや倦怠(けんたい)感など「プチ不調」の原因になるが、すぐに命に関わるわけではないので放置しがち。でも実際は全身が酸欠状態に陥っており、想像以上にダメージを受けている。さらに健診で貧血の結果が出なくても、鉄の「貯蓄」がほとんどない隠れ貧血の人が4割以上という実態がある。
 貧血や隠れ貧血で鉄不足の女性が妊娠すると、赤ちゃんが小さく産まれたり、早産になるなどの健康リスクが高まることも分かってきた。だから特に妊活中の女性は妊娠前に貧血を治しておきたい。女性の鉄不足の解消に力を入れる内科医の山本佳奈さんに、貧血対策の重要性を聞いた。

貧血は深刻な「国民病」、体の中が酸欠状態に

 疲れ、倦怠感、目まい、肩凝り、頭痛、動悸(どうき)、息切れ……。つらくて寝込んでしまうほどではないけれど、いつもなんとなく具合が悪くて、爽快感がない。こうした不定愁訴の原因の一つが貧血だ。中でも日本人に多いのが、鉄が不足して起こる鉄欠乏性貧血(以下、貧血)。50歳未満成人女性の21.0%(※1)、つまり約5人に1人が貧血というのだから、これは国民病といっていいレベル。だが、貧血と診断されてもありふれた不調と考え、深刻に捉えていない人が多いのでは?

貧血を深刻に捉えていない人、多いのでは? (C)PIXTA

 「貧血は日本では軽視されていますが、諸外国では国を挙げて対策が採られているほど重要な問題です。それは貧血が及ぼす影響が体の広範囲にわたり、特にお母さんになる人が貧血だと、その赤ちゃんに影響が出る可能性が高いからです」と山本さん。

 山本さんは「貧血は、体の中が酸欠に陥った状態」と説明する。

 私たちが生きて活動するためにはエネルギーが必要だ。このエネルギーの材料は食事で得た「栄養素」と呼吸で得た「酸素」。これらが血液によって体の隅々に運ばれ、細胞内でエネルギーが生み出される。

 酸素は赤血球に含まれるヘモグロビンというたんぱく質のおかげで全身に届けられる。

 「ヘモグロビンは中に鉄を含んでいます。私たちが呼吸で得た酸素は、この鉄にくっついて全身に運ばれます。ですから、鉄が不足して赤血球が少なく、ヘモグロビン濃度が低い貧血の状態になると、十分な酸素が全身に届かなくなり、体は酸欠状態になるのです。脳が酸素不足になると頭痛や目まいが起こり、骨格筋が酸素不足になると倦怠感や脱力感が生じます。また、貧血だと動悸や息切れが起きますが、これは、体が酸素不足を補おうとして、呼吸数や心拍数を増やすからです」(山本さん)

鉄が不足すると、赤血球の量が減る(ヘモグロビンの濃度が下がる)などして、運ばれる酸素の量が減り、全身は酸欠状態になってしまう。図はイメージ イラスト/平 拓哉

肌や髪の「美容不調」も貧血が原因かも

 影響が及ぶのは体の中だけではない。細胞が酸欠になると、新陳代謝も正常に行われなくなる。

 「肌の細胞の新陳代謝が悪くなると、肌がカサついたり、張りが失われたり、血色が悪くなったりします。また、毛根の細胞の新陳代謝が低下すると、髪が細くなったり、抜け毛や枝毛が増えたりします。爪も薄く、割れやすくなります」(山本さん)

 つまり、鉄不足は年齢より老けて見える原因になるというわけ。クリームやトリートメントなどで補っても肌や髪、爪の状態がよくならない人は鉄不足を疑ってみたほうがいい。

 「実は私自身、高校生の時に無理なダイエットをして体重が30kgを切ったことがあります。肉、魚、米を極端に減らすという食生活で、エネルギーも鉄も十分に取れていなかったことは明らか。その結果、肌はカサカサで抜け毛がひどく、目の下のクマはいくら寝ても取れませんでした。きれいになりたいと思って励んだダイエットで貧血になり、きれいとは真逆の状態に陥っていたんです」(山本さん)

 貧血かどうかの指標の一つが血液検査の「ヘモグロビン濃度(血色素量)」だ。成人女性の場合12mg/dl未満だと貧血とされる。

 女性は月経による出血で鉄が失われるため、そもそも貧血になりやすい。それに加えて、ダイエットをするなどで食事の量が足りていない人は鉄の補給量が少なくなる。

 「鉄は食事をしていても、かなり意識しないと取れない栄養素の代表。ですから、太りたくないからと食事制限している人や、仕事が忙しくて食事バランスが崩れている人は、まず、鉄不足といっていいでしょう」(山本さん)

 鉄の摂取推奨量は成人女性の場合、1日10.5mgだが(※2)、実際に取れているのは20代で6.4mg、30代6.4mg、40代6.8mg。平均3~4mg不足している(※3)。この不足割合は、他の栄養素に比べて特に高い。

(※1)「平成27年国民健康・栄養調査」より
(※2)「日本人の食事摂取基準2015年版」より
(※3)「平成29年国民健康・栄養調査」より

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