「言いたいこと」を「言うべきこと」に変換せよ

 会議での失言や失態を招かないための対策として、事前に「発言メモ」をつくることをおすすめしています。「言いたいこと」を口に出すと、必要以上に自分の感情が乗りがちです。この感情こそ、会議という場では全くの無用の長物です。

 そもそも、「私の気持ちを分かってほしい」というのは、とても幼稚で未熟な心のあらわれ。ビジネスの会議に、個人的な感情論を持ち込むのは、公私混同であり迷惑行為なのです。

 会議で求められる発言とは、第一に事実。データや実績、情報を正確に伝えることが重要です。これに個人的な解釈や好き嫌いの感情を乗せてしまっては、その場にいる全員の判断を誤らせるので、危険で迷惑な行為です。

 第二に求められるのは、よい結果を出すために「誰が何をするか」「 何を変更するか」「どのような方法を取るか」などといった対策や提案など、事前に練られた意見。

 この2点が「言うべきこと」です。

 会議の前日には、事実やデータ、それに対する対策や提案など「言うべきこと」を、簡潔にまとめて「発言メモ」を作っておきましょう。自分の発言のタイミングがきたら、そのメモに沿って説明すればよいのです。この「発言メモ」という準備をしておくだけで、余計なことを口走ったり、重要なことを言いそびれたり、というトラブルをかなり防止できます。

 さらに、メモに沿って簡潔明瞭に説明すれば、あなたは周囲の人から「聡明だ!」「できる人だ!」という好印象を勝ち取ることもできるのです。