自己紹介 4つのダメポイント

<Aさんの自己紹介>
「私は入社以来ずっと総務部におりましたので、本当に (1)総務の仕事しか知りません。他の部署の皆様と一緒にこのプロジェクトに参加することになりましたが、 (2)皆様の足を引っ張らないか心配しています。 (3)これからお世話になりますが、どうぞ皆様 (4)いろいろと教えてください」

ダメポイント (1)

 まず最初は、「総務の仕事しか知りません」という表現。まさにこれが、わざわざ自分の弱点をさらしているダメ表現ですね。

 これを聞いた人は、こう受け取るかもしれません。「あぁ、この人は社内の事務ばかり担当してきたから、きっと世間知らずなんだな。会社のこと、ビジネスのこと、何にも知らないんだ。きっとプロジェクトに入っても、雑用しかできないだろうな」

ダメポイント (2)

 次は、「皆様の足を引っ張らないか心配しています」の部分。なぜスタート時点から「足を引っ張る」なんてネガティブなことを口に出すのでしょうか?

 これを聞いた人の頭の中には、彼女のせいで迷惑している自分の未来イメージが浮かびます。無意識のうちに、彼女に対するよくない印象が植え付けられていきます。「できることなら、彼女との接触は避けたいなぁ」といった具合に。

 昔から「物事は初めが肝心」と言います。スタートのタイミングで、ネガティブなことを口に出すことを、特に年配の人は嫌うものです。

ダメポイント (3)

 「これからお世話になります」は、丁寧な表現のように見えて、実は非常にずうずうしい。

 プロジェクトというのは、全メンバーが力を合わせて目標を達成していく場です。それなのに「お世話になります」というのは、まるで「私は何もしませんよ。皆さん、私の分も頑張って働いてくださいね」と言っているかのように聞こえます。

 「アンタ、いったい何様なの?」「自分の役割を認識していない人だな」という評価につながるのです。

ダメポイント (4)

 「いろいろと教えてください」という部分も気になりますね。本人としては、他のメンバーからさまざまなことを吸収しようと、意欲的な気持ちを表現したかったのかもしれません。

 しかし、32歳という年齢と経験年数を考慮すると、「教えてください」という言葉の裏に甘えや自信のなさが透けて見えてしまいます。

 ここではむしろ、今までの経験をいかして、プロジェクトの他メンバーに「総務部の立場からいろいろ教えてあげる」ことが期待されているのではないでしょうか?

 まとめましょう。Aさんが自己紹介として発した言葉から見えてくる人物像は、こうなります。