チャンスを前に、二つの反応タイプに分かれる

1.否定派

 「困っている上司に恩を売るなんて、そんなのイヤらしい。周りの人が見たら、なんて思われるか……。点数稼ぎとか、こびを売っているとか、そんなふうに言われるのは絶対にイヤ」

 否定派のセリフは、もう何人から聞いたことでしょう。

 皆さん、他の人から「自分のことをどう思われるか?」が気になって仕方がないんですよね。気持ちはよく分かります。残念ながら世間では、こちらが多数派です。

 でもね、そういうのを、「自意識過剰」って言うんです。「周りの人の目が気になる」から、自分の能力を発揮すべきタイミングでそれを出せない。このタイプは、永遠に「いい人」「都合のいい人」から抜け出せません。

 せっかくの自己アピールのチャンスなのに、もったいないと思いませんか?

2.肯定派

 「課長は実際に困っているし、他部署の人たちも迷惑しているんだから、今私ができることをしてあげればいいんですよね」

 一方で肯定派のセリフは、きわめて素直な反応ではないでしょうか?

 目の前に困っている人がいる。自分ならそれを助けてあげられる。ほんの少しお手伝いするだけで、Hさんの職場の「とんでもない状況」を変えられるんです。それで、課長も他部署の人たちも助かる。

 それなら、実行しましょうよ。

 「お手伝いさせてもらってよろしいでしょうか?」と、さりげない一言を添えて。

 こういう勇気を持った行動が、「チャンスの扉」を開くんです。

 ちなみに、このご相談から1年ほど経った頃、Hさんからメールが届きました。「お陰様で、係長に昇格しました」って。Hさんは勇気を出して、チャンスの扉を開けたんですね。(ヤッホー!)