災害が発生したとき、「あってよかった」と思うものは何でしょうか。防災ブック「東京防災」、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」から一部抜粋し、危機管理教育研究所の国崎信江さんに話を伺い、編集部がまとめた「本当に必要な防災グッズ」をお伝えします。

7月の豪雨災害 女性が困ったのは「着替え場所」

 2018年6月末から7月上旬にかけて、台風7号や梅雨前線の影響により、西日本を中心に広い範囲で集中豪雨が発生しました。被災地にはさまざまな物資が送られ、支援活動が行われました。

 そんな中、現地の女性たちが最も困ったのは「着替え場所」。一部の避難所では女性専用の着替え場所が設けられていなかったため、日中自宅に戻って片付けをする際に着替え、夜は避難所に戻って休んでいたそうです。

 一方、生理用品など女性が必要とする生活用品は速やかに届き、各避難所へ配送されたそうです。では、女性が本当に準備しておくべきものとは、どんなものなのでしょうか。まずは食料から確認してみましょう。

食料の備蓄

 今までは、乾パンなど普段あまり食べないものを準備しておくのが基本とされていました。しかし最近は、日ごろ利用している食料品を多めに購入しておく「日常備蓄」が主流になっています。特におすすめなのは、次の4つです。

1.野菜ジュース

 避難所では菓子パンやおにぎりが配られるため野菜不足になりがち。水やお茶も配布されますが、飲み続けると飽きてしまいます。常温保存できる野菜ジュースを一箱購入し、なくなる前に買い足しましょう。

2.パン

 パンは米のように火や水を必要とせず、ハム・チーズ・トマト・ジャムなどを買いそろえておけば、サンドイッチとして食べられます。しかも具材を重ねるほど栄養価はアップ。ラップにくるめば避難所に持っていくこともできます。

日ごろ利用している食料品を多めに購入しておく「日常備蓄」を心掛けよう イラスト/尾崎悠子
日ごろ利用している食料品を多めに購入しておく「日常備蓄」を心掛けよう イラスト/尾崎悠子

3.果物・菓子類

 ドライフルーツ、ナッツ類、シリアル、野菜チップス、ウエハースなど、普段から災害時を意識して果物や菓子類をそろえておきましょう。果物は常時3種類以上、菓子類は乳酸菌やカルシウムが入ったものがおすすめです。

4.すぐに食べられる食品

 豆腐・納豆・ちくわ・かまぼこ・魚肉ソーセージ・薩摩揚げ・レトルト食品・缶詰など、水も火も使わずに食べられるものを常備しておきましょう。災害時、冷蔵庫は食料品備蓄庫になります。自分が食べたいと思うものを多めに購入し、冷蔵庫に入れておきましょう。

 災害時、食べ慣れない非常食ばかり口にしていると、それだけでストレスがたまってしまう恐れもあります。非常食のイメージを変え、食べ慣れているものの中で特に保存期間の長いものを選びましょう。備蓄する量の目安は約1カ月分です。

生活用品や衛生用品の備蓄

 食料品の次に準備をしておきたいのが、生活用品や衛生用品の備蓄です。特に、肌質に合う化粧品や薬、サプリメントなどは、流通がストップすると入手しづらくなる可能性も。日頃から、下記のものをそろえておきましょう。

●家に備蓄しておくもの
□ラップ
□ポリ袋(高密度ポリエチレンのものも用意)
□ゴミ袋(黒色もあると便利)
□トイレットペーパー
□ティッシュペーパー
□ウエットティッシュ
□せっけん
□手指消毒スプレー
□生理用品