それでは、ノートの中身を詳しく見せていただきましょう。

2.商談の流れを事前にシミュレーション

 まず見せていただいたページでは、1、2……と番号が振られている箇所がありました。これは何のことでしょう?

 「これは、商談中ではなく商談前のメモです。ヒアリングしたい内容に漏れがないように、1、2、3、4……と番号順に質問内容を書き出し、その答えを書くスペースを取っておきます」。番号を振っているので、商談の流れをシミュレーションすることにも役立ちます。商談中に聞いた内容は、順に書き足していきます。

 「特にこの時は、初めてお会いするお客様だったため聞きたいことがたくさんあり、また、初めてだからこそ緊張することも分かっていた」と青山さん。この方法をとることで、安心して商談に臨めるそうです。

1~4まで、質問とその答えが書かれています
1~4まで、質問とその答えが書かれています

 事前に質問内容をノート上で準備しておき、その答えを書くスペースも設けておくことで、商談をスムーズに進められるのですね。

【ルール】
商談前にノートづくり 必要になりそうなことを書き出しておく


3.図解でお客様とコミュニケーションを

 青山さんのノートは、文字ばかりでなく、図が描かれているのも特徴的です。

とある日の商談ノート。文字ばかりでなく、所々に図があります
とある日の商談ノート。文字ばかりでなく、所々に図があります

 「商談中に、その場で簡単な図を描くこともあります。この時は、お客様がどんなシステムを望んでいらっしゃるのかを知りたくて、図にしてみました」と、青山さんは、図をコミュニケーションツールとして活用しているそう。

 「システムは目に見えないものなので、どうしても抽象的な話になってしまいます。ただ、言葉だけでやり取りをしていると、いつの間にかお互いのイメージがズレていた……ということにもなりかねません。ですから、図で目に見える形で示して、お客様と共通認識を持っているかをきちんと確認することはとても大事だと思います」

システムのイメージを図解し、これをもとにお客様と話し合います
システムのイメージを図解し、これをもとにお客様と話し合います

 「それから、スケジュールも横軸の図を使って『見える化』をするように心掛けています。システムは数年がかりでつくっていくものなので、少しでもつまずくと納期が大幅に遅れてしまいます。そうならないように、お客様が望んでいるスケジュールをしっかり聞き、こちらからは現実的なスケジュールをご提案します。その際、『3カ月後』『半年後』『1年後』などと時系列でノートに書き込み、お客様と共有しています」

 日々、お客様とイメージを擦り合わせることを意識していたおかげで、プレゼンを行った際に「理想的な提案だったよ」といううれしい声を掛けていただいたこともあったそう。営業活動に、ノートが大きな役割を果たしているようです。

【ルール】
図を使って相手とイメージを共有する