睡眠の改善は「ラクなもの」から実践しよう

 5回にわたって睡眠のさまざまな改善法をお伝えしてきましたが、あれもこれも実践するのは難しい上に、完璧にやるのは逆にストレスになってしまいます。まずは無理なくできるものから実践するのがコツだと菅原さんは話します。

 「平日の帰りに疲れきっているのに寝ないようにするなど、難しいところから取り組んでしまうとただの苦行に。まずは“ここで寝ておくと夜に持つから”と、意図的に寝ることをやめてみましょう。寝ないことが実践できたら、次は背もたれに寄りかからない座り方をしてみる。それができたら、座らないで立って帰る。それができたら、一駅ウオーキングをしてみるなど、夕方に少しずつ体を動かす方向にシフトしていきます。就寝時に深部体温が下がり、自然と睡眠のリズムが整ってくるものです」

 次回はいよいよ「睡眠」特集の最終回。読者アンケートから見えてきた、リアルな睡眠の実態をお届けします。

この人に聞きました
菅原洋平
作業療法士
菅原洋平さん
民間病院の精神科勤務後、国立病院機構で脳のリハビリテーションに従事。現在、東京・千代田区のベスリクリニックで睡眠外来を担当。「アクティブスリープ指導士養成講座」を主宰している。監修を務めた「眠気スッキリ枕」は、記事中で紹介したうつぶせ寝に最適。
特集「仕事がはかどる睡眠術」目次
(1)睡眠は時間より質が大事? 眠りの常識ウソ・ホント
(2)夏の快眠ワザ6つ エアコンはつけっ放しにしてOK?
(3)寝ながらできること4つ 眠りの力を使って勉強や減量
(4)トイレ仮眠でもOK 午後の仕事がはかどる戦略的睡眠
(5)3つのタイプ別・睡眠トラブル解決法 あなたはどれ?(この記事)
(6)アンケートで分かった! 読者の睡眠のリアル(8月31日公開予定)

聞き手・文/中島夕子 イラスト/森のくじら