ルール1:眠くなる前に眠る

 「6時起床の人は午後2時頃に睡魔に襲われますが、その後は脳の覚醒が高まり眠気はなくなっていきます。眠気のピークで仮眠を取ってしまうと、これから脳が覚醒していくリズムを食いつぶしてしまい、仮眠から起きたときに眠気を引きずってぼーっとすることに。6時起床の人ならランチタイムの12時くらいに、眠気を感じる前に仮眠を取ることがポイントです」

ルール2:仮眠時間は1~30分まで

 「30分以上寝ると、ノンレム睡眠の深い段階である除波睡眠(睡眠は時間より質が大事? 眠りの常識ウソ・ホント)に入ってしまい、夜間の睡眠で深い眠りになりにくくなります。仮眠ではノンレム睡眠段階の1くらいにとどめたいところ。たとえ5分程度の仮眠でもすっきりした感覚が得られます。視覚を遮断すれば脳を休めることができるので、眠れなくても目を閉じるだけでもOKです」

ルール3:座ったままの姿勢で

 「重力に対して垂直の姿勢で仮眠を取れば睡眠段階2までしか進まず、深く眠ってしまうことはありません」

夜など、通常時の眠りの深さのサイクルがこちら。地面に垂直の姿勢で仮眠を取れば、この図の2の深さまでしかいきません
夜など、通常時の眠りの深さのサイクルがこちら。地面に垂直の姿勢で仮眠を取れば、この図の2の深さまでしかいきません

 「座ったままの姿勢で仮眠を取りましょう。ネックピローを使うと快適です。ただし、極端な睡眠不足が続いていると、垂直姿勢でも深い睡眠に入ってしまいます」

ルール4:起きる時間を3回唱えてから眠る

 「眠る前に起きる時間を3回頭の中で唱える自己覚醒法という方法があります。“15分後に起きる”と唱えれば、その1分前から心拍数が上がり、覚醒に向けて体が準備をします。これは科学的にも証明されていること。この自己覚醒法は、練習するほどに上達します」

 デスクで仮眠を取ることが難しい職場環境の人はトイレの中やランチタイムにメニューをオーダーして待っている間の数分間に目を閉じるだけでも仮眠になるそうです。周りの音が耳障りでも、視覚を遮断できていれば脳波を変化させることが可能です。

 「隙間時間にスマホを見たり本を読んだりすることは、一見効率化につながるように思えますが、脳は情報を仕入れるばかりでは処理が追いつかず、せっかくインプットした情報が生きません。脳の情報は、目を閉じることで整理されるので、空き容量をつくる作業も大切です」