セックスだけがフォルダの外に出ている

 さてここまで、考えるべきことと考えても仕方ないことを整理した上で、聡子さんの現状を「欲求」という視点で捉え直してきました。そして、モヤモヤの正体が「満たされていない欲求」であることが浮上してきました。

 問題なのは、これをどうしていくかです。現状の聡子さんは、「何でつき合ってくれないの?」「私が変なの?」という思いを募らせています。これはつまり、相手に期待をし、それがかなわず被害者意識を抱いていることと同義です。しかし、期待や被害者意識というのは“受け身”の心理であり、自分だけではどうすることもできないため、苦しい。ゆえに我々としては、これを“能動的”なアクションに転換していくことをオススメします。

 聡子さんの考える「つき合う(=恋人関係)」という関係性には、「相手を知る」「仲良くなる」「手をつなぐ」「セックスする」が内包されていました。しかし現在の関係はそのようになっていない。これを「関係性=フォルダ」「行為=アプリケーション」にたとえたイメージで表すと、おそらく下記のような感じになります。

 このように、「つき合う」フォルダから「セックス」のアプリケーションが外に飛び出してしまっていて、それだけが開かれ続けているのが現状です。となると目標は、この「セックス」をフォルダの中に収納し、デートしたりおしゃべりしたり手をつないだりセックスしたりする関係を彼と結び直す、ということになります。

 このように考えた上で、聡子さんは具体的にどんな行動をとればいいのでしょうか?