問題は「状況と手応えが一致しない」こと

 男の「本当の好き」が分からない──。これは、女子が抱く永遠の悩みかもしれません。事実、桃山商事の元にも「彼氏から本当に好かれている気がしない」「アプローチを受けているが、彼は果たして本気なのか?」といったお悩み相談が絶えないし、当サイトでもこういったテーマの記事はおしなべて高いアクセスを集めています。

 マサコさんは、現在デートを重ねている男性との関係にモヤモヤを抱えています。彼とは気が合い、キスも経験している。しかし、向こうから本気の好意は感じない。それで「彼を本当に好きにさせるにはどうしたら?」と悩んでいるわけです。

 彼女がこのような気持ちになっているのは、おそらく「状況と手応えが一致しない」からです。

「本当の好き」というのはカタチのない幻影

 デートはしてるけど、誘うのはいつも私から。優先順位は低いっぽい(=返事がいつも急&曖昧)が、会うと楽しい。セックスのお誘いはしてくるが、まだ好きではないらしい。元カノを引きずっているけど復縁の可能性はなさそうだから、私にもチャンスあるかも……。

 このように、ポジティブな要素とネガティブな要素が混在していて、今いる場所から前進も撤退もできないことが、マサコさんのモヤモヤの実態ではないかと考えられます。

 マサコさんはこの現状を、「本当の好き」という概念を用いて読み解こうとしています。つまり、「こういう状態になっているのは、まだ彼が私のことを本当に好きじゃないからだ」ととらえているわけです。

 しかし、この発想はハッキリ言って危険です。事態をより複雑にするだけです。なぜなら、「本当の好き」というのはカタチのない幻影のようなもので、究極的にその存在を確かめることは不可能だからです。

 ではなぜ、このような発想が生まれてしまうのでしょうか?