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「押しつけられ感」があると現場の働きがいは高まらない

2016年10月5日

ITの仕事は、「人」が唯一最大の資産であり、企業価値そのもの

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自分らしく輝く、すべてのワーキングウーマンのためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2016」のプレイベント ダイバーシティマネジメントセミナー「企業を強くする女性活躍推進セミナー」が、5月20日に東京ミッドタウン(東京・六本木)で開かれた。講演に続くパネルディスカッションでは、女性活躍先進企業の担当者が登壇。自社の戦略と施策、次なる目標について語り合った。(2016年8月5日にサイト「日経BPネット」 コラム「麓幸子の「ダイバーシティ&働き方改革最前線」に掲載された記事を転載しています)

IT関係の仕事は傾向として総労働時間が長い。24時間365日体制でシステム運用保守をしたり情報セキュリティのインシデントに対応したりする場面も出てくる。その中でどのように働き方改革を進めるのか? 新日鉄住金ソリューションズで働き方改革を担当する福島取締役は30年以上システム構築の現場で活躍してきた技術者出身。「突然の人事担当、そして働き方変革担当で驚いた」と語るが、現場を知りぬいた福島氏ゆえに現場の納得感の高い施策を展開している。

「私たちらしい」新しい働き方を示すことが重要

――今年4月から、働き方変革を担当している福島取締役ですが、それまではシステム構築の現場で活躍していたと伺っています。現場から人事部、働き方変革担当となり、ご自身が非常に驚いたそうですね。

福島取締役(以下、福島):まさしくその通りです(笑)。私自身、技術畑で30年以上システム構築のプロジェクトをやってきたのですが、正直言いまして、ワークライフバランスとかけ離れた働き方をしてきました。ですから、懺悔の気持ちも込め、会社の将来、そして日本社会の未来のために情熱を燃やして取り組みたいと思っています。

――働き方変革を進める上で、最大の課題は何だと思いますか。

福島:やはり総労働時間の削減ですね。すでに2005年から、個人の目標管理の中で毎年9連休を取得する「リフレッシュ連9制度」や、深夜・休日就業の原則禁止、10年からは「総労働時間短縮推進委員会」を設置し、KPIの設定、冊子の配布など、様々な取り組みを進めてきましたが、世の中の会社と比べ、相対的に総労働時間が長い傾向にありました。これまでの活動は、主に事業部毎の現場レベルで推進する改善活動でしたが、その取り組みも一巡し頭打ち感が鮮明になってきました。

 そこで、より経営的な本質的課題に着目しこれを変革すべく、15年7月「働き方変革タスクフォース」を立ち上げ、全社的なプロジェクトとしてスタートさせました。

 働き方変革の軸は、大きく3つあると考えています。まず、会社として本気で取り組む姿勢を見せる。2つ目に、将来に向けた私たちらしい新しい働き方をきちんと示す。そして、「働きがいがあって働きやすい会社」を目指すということです。

――“働きがい”と“働きやすさ”を同時に進めていくと。

福島:働きやすい会社の中の要素として、総労働時間を減らす、ダイバーシティを進めるなどの取り組みをしつつ、働きがいそのものも今以上に高めることで、会社全体のパフォーマンスを最大化できます。ITの仕事は、人が唯一最大の資産であり、企業価値そのもの。多様で優秀な人材をいかに確保し、彼らに長く健康的に働いてもらうかは経営課題であり、会社の存立基盤だという認識があります。

新日鉄住金ソリューションズ 取締役 執行役員 福島徹二氏
1980年早稲田大学理工学部卒業。同年新日本製鉄入社。01年新日鉄ソリューションズ。03年新日本製鉄退職。同年産業ソリューション第三事業部部長。04年流通・サービスソリューション事業部部長。11年同副事業部長。13年エグゼクティブプロフェッショナル 同。15年執行役員 流通・サービスソリューション事業部長。16年4月執行役員 人事部、働き方変革担当。同年6月取締役 執行役員 人事部、働き方変革担当

――現在の残業時間はどれくらいですか。また、今後の目標値は設定していますか。

福島:現在、月平均の残業時間は36時間くらいですから、世の中の平均に比べれば多い方ですね。目標値はまだ検討段階ですが、毎年着実に減らしていくつもりです。

 ただ、そうはいっても、ITの仕事は、技術面も日々高度化していますし、顧客のビジネスに直結していますから、24時間365日体制でシステム運用保守をしたり、情報セキュリティのインシデントなどに対応する場面も出てきます。そうした“厳しい働き方”の中で、労を惜しまず、品質の高いサービスを提供して顧客に喜んでいただくことに働きがいを感じている社員が非常に多いんですね。そうした思いを大事にしながら、全社で取り組むべき施策と、部署のマネジメントの中で取り組むべき施策というのを振り分けて考えるべきだと思っています。

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研フェロー。1984年筑波大学卒業、同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバー。2006年日経ウーマン編集長。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁などの有識者委員を歴任。筑波大学非常勤講師。著書は「女性活躍の教科書」「仕事も私生活もなぜかうまくいく女性の習慣」など。
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