自分らしく輝く、すべてのワーキングウーマンのためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2016」のプレイベント ダイバーシティマネジメントセミナー「企業を強くする女性活躍推進セミナー」が、5月20日に東京ミッドタウン(東京・六本木)で開かれた。特別講演は「女性活躍推進に関する政府の方針と取組」をテーマに、内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)の華房実保氏が、女性活躍推進の現状と政府の施策について説明した。
(2016年7月6日に「日経BPネット」コラム「麓幸子の「ダイバーシティ&働き方改革最前線」に掲載された記事を転載しています)

日本の女性管理職の割合は国際的に非常に低い

 各国の男女格差を、経済参画・教育・健康・政治参画の4分野のデータから算定するジェンダー・ギャップ指数を見ると、日本は2015年が145カ国中101位と非常に低い。また、就業者、管理職に占める女性割合の国際比較では、就業者に占める女性割合43.2%に比べて管理職に占める女性の割合は12.5%で、これも国際的に低い状況だ<図表1参照>

 華房審議官は「女性管理職が少ない、あるいはまったくいない理由としては、『現時点では必要な知識や経験、判断力を有する女性がいない』と回答した企業が最も多く、管理職に就くための在職年数等を満たしている人がいない、との回答もあります。企業側が、管理職に必要な能力開発や人材育成を行っているのか、また、継続して就業できる環境を作っているのかが鍵を握ります」と話す。

特別講演に登壇した内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)の華房実保氏
特別講演に登壇した内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)の華房実保氏
1989年東京大学大学院農学系研究科農芸化学専攻修士課程修了後、三菱化成(株)(現三菱化学(株))入社。新規機能性農業資材の研究・開発・市場開発に従事。(株)三菱化学科学技術研究センター企画調整室、事業化推進部長等を経て、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の日本のネットワークであるグローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワークの事務局次長を歴任。また、日本化学会、高分子学会等にて編集委員、男女共同参画委員等を務める。12年、(株)三菱ケミカルホールディングス経営戦略室KAITEKIグループマネジャー 経営戦略へのSustainabilityの導入、浸透、指標モニタリング、PDCAマネジメント、統合レポーティング等、様々な戦略、方針、施策の立案、策定、推進等を実施。14年より現職。(内閣府官民人材交流副センター長併任)

 さらに、女性の年齢別の労働力率を見ると、30代で落ち込み、その後上昇をするM字カーブを描いている<図表2参照>。「日本では、働きたいのに育児や介護などのために働けない人が、300万人に上ります。就業を希望する人がすべて職を得て、活躍できる社会にしたいと思います」と華房審議官は述べた。

<図表1>就業者及び管理的職業従事者に占める女性割合
<図表1>就業者及び管理的職業従事者に占める女性割合
<図表2>女性の年齢別労働力率
<図表2>女性の年齢別労働力率