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ふるさと納税ブームけん引 須永珠代さんが目指すもの

2016年8月6日

須永珠代「ふるさと納税」で新たな産業が生まれる

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2016年4月に施行された女性活躍推進法。国家の成長戦略の中枢に女性の活躍が置かれているが、それは地方でも同じこと。女性の力を生かすことが地方創生の鍵となる。この連載では、さまざまな活動で地方を元気にしている女性たちを毎回1人取り上げてロングインタビューで紹介する。
(2016年5月16日にサイト「新・公民連携最前線」 のコラム「麓幸子の『地方を変える女性に会いに行く!』」に掲載された記事を転載しています)

2014年中のふるさと納税の寄付金総額は341億1116円にのぼり、前年の約2.4倍となった。15年は1000億円を超える見込みだ。このふるさと納税ブームをけん引しているのが、トラストバンクが12年に開設したふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」である。長崎県平戸市は、14年度に寄付金が14億円に上り全国1位になるなど、ふるさとチョイスが関わった成功事例が全国各地に続々誕生している。ふるさと納税で成功をおさめる自治体の共通項とは?自治体の問題を寄付で解決するガバメントクラウドファンディングや災害支援の緊急寄付も展開するトラストバンク社長の須永珠代さんに伺った。

須永珠代(すなが・たまよ)
1973年生まれ、群馬県出身。大学卒業後、ITベンチャー勤務、ウェブデザイナーを経てディレクター、コンサルタントとして活躍。2012年4月トラストバンクを設立、同年9月ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を立ち上げる。14年1月に日本初となるふるさと納税全国セミナーを開始。自治体職員延べ2000人以上がセミナー参加。寄付者向けセミナーでは延べ5000人以上が参加。15年12月日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」大賞を受賞。5月に初の著書『1000億円のブームを生んだ 考えぬく力』(日経BP社)を出版

ふるさと納税の仕組みで熊本地震の緊急寄付も

――須永さんが、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。

須永:2012年に起業し、「ICTを通じて地域とシニアを元気にしたい」というミッションのもと、どんな事業を興そうかと可能性を模索するなかで、「ふるさと納税」の制度を知りました。まさに目からウロコでしたね。この制度が活性化すれば、「ヒト・モノ・カネ・情報」が循環し、地方に活力が生まれると考えました。

 ふるさと納税の制度自体は08年にスタ―トしていたものの、なかなか認知度が上がらず、寄付額も低迷していました。その理由は、情報不足だと思ったんですね。“どういう制度で誰にどんなメリットがあるか”が分からないと、制度は浸透しません。そこで、12年9月に、ほぼすべての自治体のお礼の品と使い道を載せた「ふるさとチョイス」を立ち上げました。現在、1788自治体のうち半数を超える950自治体と契約をしています。

――13年9月からは自治体の課題をPRして寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング」を、14年11月からは災害時に自治体へ寄付ができる「災害時緊急寄付申込みフォーム」を開設しています。先日の熊本地震でも、早々にフォームが立ち上がりました。

須永:ふるさと納税は「自分で税金の使い道が選べる」という点が魅力であり、自らの意思を反映できるものです。ガバメントクラウドファンディング(※)や、災害への寄付は、まさしくふるさと納税の本質に沿ったものだと思っています。そもそもこの事業のアイデアを考え付いたときから、「こうした支援ができるといいな」とイメージしていたんです。

 熊本での地震が起きた当日より、様々な自治体から「自分たちにできることはないか」「支援の方法を教えてほしい」という問い合わせが次々と届きました。

※特定の課題解決のため、ふるさと納税を活用し、自治体が行う資金調達のことをトラストバンクでは「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」と呼ぶ。広く流通する用語になってきているが、国の制度の名称ではない。プロジェクトオーナーは自治体であり、寄付者は確定申告等を行うことで税金控除も受けられる。都度決済のため、一般的なクラウドファンディングとは異なる(目標額に達しなかった場合もプロジェクトは遂行され、寄せられた寄付金の中でできることに活用される)。

――被災地である熊本県宇城市や菊池市のほか、地震の2日後には、代理受付自治体として茨城県境町が、5日後には福井県の緊急寄付申し込みフォームが開設。現在は、20以上の自治体のフォームが立ち上がっています。

須永:弊社と契約している自治体は、災害時に迅速にフォームを開設し、クレジット決済までできるようになっています。菊池市などは、すでに取引があったため、ご連絡いただいてからすぐに窓口が開けました。

 災害の寄付は皆の気持ちが向いている時でないと集まりにくいのですが、被災地はそれどころではないので、どうしても対応が遅れてしまいがちです。そうした手間や手数料を負担して代理で寄付を集めようと最初に申し出てくれたのが、茨城県境町でした。15年9月の台風による豪雨で鬼怒川が決壊し、甚大な水害災害に見舞われた際に、このフォームを利用して寄付金を集めた経緯から、今回、境町の町長がすぐに電話を下さり、支援を申し出てくれました。「寄付金受領証明書」は境町が発行し、送料等事務費も負担。寄付金はすべて熊本県に送られます。

福井県が「ふるさとチョイス」に開設した熊本県支援ためのふるさと納税申し込みページ(資料:トラストバンク)

――福井県はどういった経緯だったのでしょう。

須永:そもそも福岡県の西川一誠知事は、ふるさと納税の提唱者でもあり、災害支援に積極的です。知事が就任して2年目の04年、福井県が集中豪雨の被害に遭い、その際に全国から寄付を受け、非常にありがたく感じたのだそうです。そうした背景から、「ふるさとを支援できる仕組みを作りたい」と提唱したのが、ふるさと納税です。つまり、そもそも災害支援から生まれた制度なんですね。

――自分の街だけでなく、他の街も元気にする。その懸け橋として、「ふるさとチョイス」が活用されているということなんですね。

須永:今後は、災害等緊急時にいろんな自治体が支援を発信できるような仕組みを作っていくつもりです。ふるさと納税だけでなく、災害時にはこんなふうに協力できるということを提案し、自治体に活用していただくことは、非常に意義のある事だと思っています。

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麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研フェロー。1984年筑波大学卒業、同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバー。2006年日経ウーマン編集長。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁などの有識者委員を歴任。筑波大学非常勤講師。著書は「女性活躍の教科書」「仕事も私生活もなぜかうまくいく女性の習慣」など。
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