女性活躍推進に積極的な上場企業を対象とした「なでしこ銘柄」に、2012年から5年連続で選ばれているKDDI。管理職への意識改革と育成プログラムの両輪でダイバーシティ経営を着実に前進させる一方で、働き方改革についてもトップがメッセージを発信するなど本格的に動き出している。2017年4月に人事部長に就任した滝山義隆氏に、現在進行形の取り組みとその狙い、ダイバーシティとの相乗効果について聞いた。

2020年女性ライン長200人が次なる目標

――KDDIにとってのダイバーシティ経営の重要性を教えてください。また、実際にどんなメリットを実感されているでしょうか。

滝山部長(以下、滝山):KDDIは15を超える会社が合併してできた会社ですので、いろんなタイプの人間が集まっていることがそもそもの強みです。出身会社のみならず、性別や価値観なども多様であればあるほど、その力は大きくなると考えています。

 とはいえ、社内にもまだまだ男性社会的な側面はあって、そこに異なる価値観が入ったことで、今までなかったものが生み出されるようになっています。例えば、2011年下期からは幹部候補育成のために経営に近いところで学んでもらう「役員補佐」という職位を作りましたが、1人の役員に対し2人が補佐につき、そのうち1人は必ず女性を入れてきました。そこから宣伝部長になった女性が「三太郎シリーズ」のCMを手掛けています。このCMが好感度ナンバーワンを連続して取れたことは、女性活躍という点において社内の雰囲気を大きく変えた1つの象徴的な出来事だと思っています。

 役員補佐を経験した女性はのべ31人になりました。

1995年国際電信電話(KDD)入社。在日外国人を対象としたコンシューマ営業を担当。98年郵政省(現総務省)に出向。ケーブルテレビ事業者への支援策を担当。2000年KDDIに帰任。ネットワークビジネス推進部に配属。主に海外通信事業者への音声ホールセール営業を担当。05年フランス現地法人に出向(KDDIフランス、TELEHOUSEヨーロッパ)営業・総務・人事・経理一般を担当。10年KDDIに帰任。人事部に配属。人事制度企画担当などを経て現職

――宣伝部長の活躍を契機として、その後社内に変化はありましたでしょうか。管理職比率の進捗なども教えてください。

滝山:比率はKPIとして設定していないのですが、現状で女性のGL(グループリーダー)は111人です。2015年度までに女性のライン長を90人にするという目標が達成された形になります。毎年年度末にGL職以上の幹部が出席して翌年度の経営方針を発表する場があり、以前は本当に男性ばかりだったのですが、女性が格段に増えている印象です。

 次のステップとしては、2020年年度までに女性ライン長を200人にすることが大きな目標です。数値目標を掲げることには賛否両論あると思いますが、我々は社風として、目標を設定した方がそこに向かって進む力が働きやすいところがあります。