「思い込み」が悪化を招くことも…

 原因は人によってさまざまですが、吉野さんは働き女子の「思い込み」に警鐘を鳴らします。

「最も身近な同性の先輩である母親の影響も大きいと思います。

 『寝ていれば生理痛は治る』『生理痛くらいで病院に行くもんじゃない』『出産したら生理不順は治る』などといった言葉を母親や母親世代から聞いたことはありませんか。実はこれこそが間違いのもとで、母親世代からの誤った知識によって『生理に痛みがあることは当たり前』だと思い込み、我慢を重ねて婦人科への足が遠のいているケースも少なくありません」(吉野さん)

 吉野さんの診療所では、母親世代の言葉通り20年近く痛みに耐え続けていた女性が限界に達して受診すると、子宮内膜症だったことが判明したケースもあるそう。幸いなことに大事には至らなかったそうですが、「もっと早く検診に来てくれていれば、つらい痛みや病気とは無縁の生活が送れていたかもしれない」と吉野さんは言います。

 加えて、学校教育で生理について学ぶ時間が足りていなかったり、インターネット上の情報が不確かなものもあったりすることなども相まって、生理に関する正しい知識をつけることなく大人になってしまった……というのが現代女性の大多数なのかもしれません。