自分ではない誰かのほうが愛する人を幸せにできる……、勝手に決めつけていませんか?

レディー・ガガがめちゃくちゃかわいい (C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 「愛しているからこそ別れよう」なんてセリフを、たまに映画やドラマで耳にします。言っている本人は、悩みに悩んで出した結論なのかもしれませんが、実はただのエゴなんてことも……。

 本日紹介する「アリー/スター誕生」は、誰かのことが好きなら、好きなままでいればいい。わがままでもいいから、相手の気持ちを勝手に忖度(そんたく)して自分で線引きする必要はないと教えてくれる1本です。

【ストーリー】
アリーの夢、それは歌手になること。なかなか芽が出ずに諦めかけていたある日、世界的シンガーのジャクソンと出会う。彼女の歌にほれ込んだジャクソンに導かれるように華々しいデビューを飾り、瞬く間にスターダムを駆け上がるアリー。激しく恋に落ちて固い絆で結ばれる二人だったが、アリーとは反対に、全盛期を過ぎたジャクソンの栄光は陰り始めていき……

親友のおかげでデビューにつがなる (C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 ヒロインのアリーは、ジャクソンとの偶然の出会いから華々しいデビューを遂げます。ものすごい運の良さを感じますが、自分がその状況になったときに、同じように一歩前に踏み出すことができるか、その準備を日頃からしているか、覚悟が持てるのかと考えさせられます。また、成功しても自分自身が変わらずにいられるかどうかについても。

 例えば、恋愛においても、付き合った途端に変わってしまう人っていますよね。人間の本性が出てくると言いますか。ましてや、それがスターになったとき……。ちやほやされて、お金も手にしたら、増長してしまうのは避けられないことなのかもしれません。

 本作においては、アリーは自分をしっかり持っているだけに、スターになってもやりたいことを貫き通そうとします。本来のアリーを知らないと、それはスターになったからのわがままに見えてもおかしくないわけです。

 そんなアリーとジャクソンの関係が、アリーがスターダムを駆け上がるにつれてだんだんとゆがんでいきます。当の本人たちは、自分の考えを変えているつもりはなく、相手のことを理解し、尊重していると思っているのに。周囲の人間の行動や、ある意味で無責任な忠告などもあり、何か見えないものに巻き込まれていく。

 当初は何も問題がなかったはずの二人が、お互いのことを考え過ぎて、自分だけで結論を出し、いっそのこと別れたほうが……などの「エゴ着地」に向かってしまうのです。