SNSの闇ではなく自分の闇であることを知る必要がある
気に入っていたものを否定されると、悔しい気持ち、むなしい気持ちになります。しかし、それはただの一意見。むしろ否定意見が全くないものなど、この世に存在しないはず。
しかし、SNS上に否定的なコメントをされる、つまりテキストとして残ると、それはそれはインパクトが強く、読み返すたびに何度も言われている気持ちになってしまうもの。
メンタルの強い人であれば、否定的なコメントを無視したり、削除したりし、まるで最初からそんなものはなかったかのように振る舞いますが、普通はそう簡単にはいきません。
また、否定的なコメントに対して反論し、さらなるコメントを生み出してしまうこともあります。それらはSNSの闇の部分であると思われがちですが、SNSではなく、自分と相手の闇なだけだと気が付く必要があります。
自分の良識を持ち続けることができるか
本作では、SNSに対するリテラシーが低いことで大きな問題が起きてしまう危険性を描いています。シェアすることで共感を得る。共感が得られたから間違っていない。もっと共感を得たい。もっと自分の正しさを世の中に出したい。
そして、自分の正しさを分かってもらうつもりが、「これって正しいことだよね?」と相手に確認しないと気が済まなくなり、自分の良識がSNSでの反応に取って代わってしまう……。
共感を得ることと、自分の良識を持ち続けることは別であることを、本作から感じ取ってください。
11月10日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 他全国ロードショー
配給:ギャガ
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文/永井勇成