悪人がいて、それに対するヒーローがいる。何も考えずただ純粋に楽しめて、誰もが応援したくなるエンタメ作品を思いっ切り楽しんでみませんか? 映画の醍醐味ってもしかするとそこにあるのかもしれません。

空中を二、三歩進む感じじゃないと落ちます (C) Universal Pictures

 じっくりと鑑賞し、ゆっくりと考えさせられる映画も素晴らしいですが、たまには何も考えずに楽しめるアクション映画はいかがでしょうか?

 恋愛要素、謎解き要素、さまざまな伏線や張り巡らされたわななど、いろんな駆け引きを楽しむことも映画の醍醐味ですが、目の前で起きていることだけに集中し、ハラハラドキドキし、鑑賞後には「めちゃくちゃ面白かったね~!」と言える映画があります。

 本日紹介する「スカイスクレイパー」は、これぞアクション・エンターテインメントだと言い切れる、最高に気持ちのいい作品です。

【ストーリー】
香港に新しく建造された、高さ1キロメートル、240階建ての世界最大のビル「ザ・パール」。住居だけでなく、ホテル、公園、オフィス、ショッピングモールなど、あらゆる設備がそろい、ビル自体が一つの街になっていると言っても過言ではなかった。ウィル(ドウェイン・ジョンソン)は、FBI人質救出部隊のリーダーだったが、ある事件で義足になったのをきっかけに、家族と共にザ・パールに住みながら、ビルのセキュリティーシステムを調査する仕事に就いていたが、突如ザ・パールで大規模な火災が発生。ウィルの家族がいる居住フロアにも炎が迫るなか、なぜかウィルが警察から事件の容疑者として指名手配されてしまう。果たして、ザ・パールを狙う真犯人の目的とは? そして、警察に追われながらもビル内に閉じ込められた家族を救う方法とは―?

 本作の見どころは、なんといってもアクション映画の面白さがすべて詰め込まれているところ。子どもの頃は映画といえばハラハラドキドキ、仮面ライダーだってプリキュアだって、悪役がいて、それに対抗するヒーローがいて、とにかく応援するスタイルではありませんでしたか?

 本作は家族のために飛び回るパパ、そしてママを全力で応援したくなる純然たるアクション超大作なのです。

 世界最大のビルで火災発生、実は火災に見せかけた犯罪計画が裏で走り、それに唯一気が付いた主人公ウィルがたった一人で立ち向かう。そこに家族が巻き込まれて……なんて、もう王道中の王道、ど真ん中ストレートのストーリー。

胸糞要素を排除したエンタメ作品はもはやアトラクション

このシーン、ちょっとちびりそうになりました (C) Universal Pictures

 最近はアクション映画といっても何かしら複雑(政治的、宗教的)な要素を絡め、少し小難しく、考えさせられるものが多くなっています。それらを否定するわけではありませんが、本作はそれらがなくても最高のアクション映画は作れる! と宣言していると言っても過言ではありません。

 また、主人公や登場人物に感情移入してほしいがために、半ば無理やりな残酷シーン(家族が惨殺されたり、拷問されたり)を入れがちですが、それらの「胸糞要素」とも呼べるものは本作にはありません。

「あ、こいつは悪いやつだ」
「そしてこの人はいい人だ」

 それが分かれば十分なんだと。まるで時代劇のような設定で、勧善懲悪とはなんたるかを、これでもかと見せつけてくれるのです。