学生ノリじゃないと到達できないところがある

みんなで祈るこの感じをもう一度味わいたい (C) 2017「トリガール!」製作委員会
みんなで祈るこの感じをもう一度味わいたい (C) 2017「トリガール!」製作委員会

 社会人になると責任と自覚という見えない何かに押さえ付けられます。そして今度は自分が無意識に部下や後輩にそれを押し付けるようになってしまう。

 かつての、寝食を忘れて取り組んだり、仲間とけんかするほど熱くなったり、異性にいいところを見せたいなどの「学生ノリ」を忘れてしまっている。

 自分を抑え、仕事に対して真摯に、いわゆる「社会人の自覚」を持って取り組むことはもちろん大事なことですが、しかしそれだけでは息がつまりますよね。

 あれ、なんでこの仕事しているんだっけ……?

 なんて疑問を持ってしまうと、毎日の晩酌で気分が沈むことも多くなってしまいそう。

 仕事を苦に思わないためにも、ある程度の学生ノリ、楽しさに重きを置くことは、現代社会において必要なことなのかもしれません。苦に思っていなければ、万一失敗しても挫折することなく戻ってこれますよね。

 仕事に対して、どれだけ情熱を持てるか。学生ノリで取り組むことで持てる情熱はあると思っています。夢中になれるかどうかは、楽しさに比例しているはずですから。

学生ノリを悪だと決め付けていては損をする

二人乗りの人力飛行機は珍しいみたいです (C) 2017「トリガール!」製作委員会
二人乗りの人力飛行機は珍しいみたいです (C) 2017「トリガール!」製作委員会

 「学生ノリ=悪」だと決め付けて、自分で勝手にNGを出して、自主規制していませんか?

 もっと夢中になっていいと思います。「あの人、学生みたいだね」と言われようと気にならないことを見つけたとき、仕事も人生も今よりもっと楽しくなるはず。

 そう気付かせてくれたのが、本作「トリガール!」でした。

 私自身、冒頭から中盤までは距離を置いて見ていました。しかし、中盤から後半にかけて、学生ノリが自分に足りていなかったと自覚したのです。

 仕事を楽しみたいと思ったら、ぜひご覧ください。

 それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。

『トリガール!』

9月1日(金)TOHOシネマズ 新宿他、全国ロードショー
配給:ショウゲート
(C) 2017「トリガール!」製作委員会
公式サイト:http://torigirl-movie.com/

文/永井勇成