年を取るだけで人は老いるわけではない?
人間は、いつ老いるのでしょう。年を取っても元気な方はいますし、それ以上に老後を謳歌している方もいます。年齢はただの数字であり、一番の要因はその人の心持ちなのかもしれません。
こんな一節があります。
サミュエル・ウルマン(詩人)
もう80歳のおじいちゃんだから……。なんて言い訳が通じなくなる強烈な一節です。
いくつになったとしても、その年齢でしか感じられないこと、体験できないことがあるはずです。経験や知識を持っているからこそ判断できることも。
老いにあらがうのではなく、そのときに感じる理想を追うだけでいい。それで人はいつでも青春を感じて突っ走ることができるのです。
本作ではそれが銀行強盗という褒められたものではありませんでしたが、その気概や良しとすべきかもしれません(日本とは社会システムが違うので、一概に当てはめることはできませんが、銀行の施策によって年金が支給されなくなる背景もあり、ジーサンズだけを責められない部分もあると思われます)。
愛する家族や仲間と幸せな余生を過ごし、デザートには甘いパイを食べたい。そんな安らかな老後を思い描いていたジーサンズがそれを奪われたとき、安らかとは真逆の行動で取り戻そうとする。余生に対する執着の強さ、そして幸せを求めるパワーは、私たち以上のものがあります。
この先、少しでも「もう年かも……」などと思ったら、この作品を見返して襟を正したいと思います。
果たして銀行強盗は成功するのでしょうか?
ど素人のジーサンズが見せる一発逆転コメディーをぜひ楽しんでください。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
6/24(土)全国公開
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/movie/g3z/
(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
文/永井勇成