NOTジャケ借で出合った作品はこちら!

 今回、私と巡り合った作品はこちら!

 「やさしい嘘と贈り物」です。

 待ってくれ! なにこれ? おじいちゃんとおばあちゃんじゃん……。

 大変失礼ながら、第一印象はそんな感想でした。普段なら絶対に選ばない作品と出合えるとは言いましたが、想像を超えてきました。

 普段はアクション、サスペンス、ミステリーなどを中心に見ている私に、明らかに直球ど真ん中のヒューマンドラマがやって来てしまいました。おじいちゃんとおばあちゃんです。なおかつラブストーリーの様相です。

 間違ってもカーチェイスのシーンなどありません。爆発なんてもっての外です。なんせタイトルに「やさしい」が入っているくらいなので、絶対に優しいストーリーです。

 TSUTAYAにこんな作品があったのか……。
 どこのコーナーのどの棚にあるのか……。

 そんな作品が、私の手元にきてしまいました。うへぇ…(ごめんなさい。)

 ヒューマンドラマは泣いちゃうので苦手なんです。涙もろいんです。襟元までぬらすほど泣いちゃって、2、3日は引きずってしまうので見ないようにしているんです。

 ラブストーリーも苦手なんです。愛だの恋だのにありがちな気持ちのすれ違いにヤキモキするんです。素直になれよ! って思ってしまうんです。

 でも、これも出合いです。一期一会です。お金を払って借りたことですし、だまされたと思って見てみることにします。

 …。

 ……。

 スーパーで働くおじいちゃん。偶然おばあちゃんと出会う。おじいちゃんとおばあちゃんが良い感じになって…。そんな風にまったりと話が進んでいきます。おじいちゃんでもやっぱり恋をすると少年のようになってしまうんだなぁ。おばあちゃんも少女のようにキュートだなぁ。

 ただ、冒頭からずっと何か違和感を感じさせる内容。その違和感が何なのか、ただの気のせいなのかも分からないまま、まったりと進行するストーリー。たまにはこんなほっこりする作品もいいかもしれない。そんなことを思いながら見てました。そしたら、

 嘘みたいな急展開!

 これ以上はネタバレになってしまうので書けませんが、ジャケットからは想像もつかない急展開。結果……、

 ボロ泣き。

 完全なるボロ泣きです。涙を拭きながら、何度も眼鏡を拭きながら鑑賞しました。

 お年寄りのラブストーリーだと油断させておいてのこの展開はズルい。完全にやられました。究極の愛なんて言葉は、使われ過ぎてもはや味がしなくなったガムのような気もしますが、本作はそれ以上の言葉が見つからないほどの究極の愛でした。

 自分は人をこんなにも愛せるだろうか。そして愛してもらえるだろうか。泣きながらそれを考えさせられました。そして、見る前より確実に優しくなれている自分がそこに。

 もし私が本作のキャッチコピーを付けるとしたら、「ずっと一緒にいようね、なんてただの口約束だと思ってた……」。(キザですみません。)でも見れば分かりますから!

 NOTジャケ借、期待以上です。むしろこの企画、最高です。

 また、大事なことなので書いておきますが、もし本作をご覧になるのであれば、絶対に予告編を見ないでください。そのほうが何倍も楽しめます。あらすじも読まないでください。理由は見れば分かります。