自分勝手な行動は控え、周りの人に合わせて、ちゃんと空気を読む。自分の本当の気持ちを抑えてまで、やりたいことをやらない努力をしてまで必要なことでしょうか?

海を愛し、海に愛されたモアナ! (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
海を愛し、海に愛されたモアナ! (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

 嫌だと思うことには正面からぶつかるようにしているライターのゆうせいです。よく言われている「我慢は体に毒」は、まさにその通りだと思っています。

 やりたいことを我慢して、やりたくないことをする。これ、文字にすると違和感しかありませんよね。もちろん、やりたくてもできないこと、やらなくてはいけないことがあるのはわかりますが、自分に正直になれていますでしょうか?

【ストーリー】
海に選ばれた16才の少女モアナ──海が大好きな彼女は、島の外に出ることを禁じられながらも、幼い頃に海と“ある出会い”をしたことで、愛する人々を救うべく運命づけられる。それは、命の女神テ・フィティの盗まれた“心”を取り戻し、世界を闇から守ること。神秘の大海原へ飛び出した彼女は、伝説の英雄マウイと出会い、世界を救う冒険に挑む。立ちはだかる困難に悩み傷つきながらも、自分の進むべき道を見つけていくモアナだったが…。

誰もが得したいと思ってる

右の大きい人がマウイです。全身タトゥーです (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
右の大きい人がマウイです。全身タトゥーです (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

 極論かもしれませんが、損したいと思って生きている人はいなく、誰もが得をしたいと思っているはずです。

 損して得取れ、なんて言葉もありますが、得取れと言っている時点でやはり得したいのです。

 教育論を語るつもりはないのですが、得ばかりするのは悪いこと、みたいな風潮がありますよね。でもそれは違うと思っています。得したいと願うのは当たり前の気持ちですし、得する方に向かうことは何も問題ではありません。

 もちろん、誰かを傷つけてまで自分だけが得をするのは悪だと思いますが、自分が傷つくことで誰かが幸せになると考える必要もありません。

 本作に登場する「マウイ」は、半分が神様で、もう半分が人間です。神様の部分では人のためになることをするのですが、人間の部分では卑しさが見え隠れするキャラクターです。自分がすることはすべて正しくて、そのおかげでみんなが幸せになっていると信じて疑わないのです。

 現実の社会でも、このような考えで仕事をしている人っていますよね。自分のやりたいように仕事を進めて、粗い部分にフォローしてもらうのは当たり前、みたいな人です。

 しかし、自分の楽しさを追い求める人は、他人に嫌がらせしたいとか、傷つけたいなどは一切考えていません。ある意味では自分のことしか考えていないのですから。

 もっと言えば、自分が幸せになることが世界の幸せ、くらいに思っています。そんな考えが、本作のマウイを通じて理解できるようになるかもしれません。