「傷つくくらいなら何もいらない」が通用するのはいつまで?

シャツの裾が長い (C)「伊藤くん A to E」製作委員会
シャツの裾が長い (C)「伊藤くん A to E」製作委員会

 「傷つくくらいなら何もいらない」

 何よりも、自分が傷つかないことが最重要という気持ちも分かります。適当にマイペースで、自分のテリトリーの中だけで生きていく。その判断が100%間違っているとは言いません。大きな挑戦をしないと何もかも一切が手に入らないわけではありませんから。日々、無理をせずに、自分を守りながら、小さな満足を得ることだけでも、簡単なことではないですよね。

 しかし、いつまでも挑戦を避けていられないことに、本当はそろそろ気が付いているのではないですか?

絶対に負けられない戦いに直面すること

ラーメンを食べる男、ガン見する女 (C)「伊藤くん A to E」製作委員会
ラーメンを食べる男、ガン見する女 (C)「伊藤くん A to E」製作委員会

 例えば、自分の意に反して時代の大きな波に飲み込まれそうになったとき、あなたならどうしますか?

 難関資格である会計士でさえも、あと数年で消える職業になるかもしれない、といわれています。あなたの仕事は、何の努力や挑戦もせずに生き延びることができるでしょうか?

 目標を立てなければ自分に失望することもありません。でもそれではいつまでたっても高みに到達できないでしょう。この時代に生まれてきたのなら、何もしないでいることは、もったいないなと思うのです。

 もしもあのとき本気で取り組んでいたら今ごろ成功していたはず――そんな言い訳を一体いつまで続けるつもりですか?

 たとえ挑戦した結果がぶざまであっても、負けてしまっても、それを批判する者が何かを手に入れることはありません。チャンスは挑んだものだけに与えられるのですから。

 映画の主人公・伊藤がどのようにAからEまでの女子たちからの挑戦を避け続けているか、そして戦わずに日々を過ごす彼の姿から、私たちは多くのことを考えさせられるでしょう。

 さぁ、あなたは今年、どんなことに挑戦していきますか?

 それではまた。映画カタリストのゆうせいでした。

【作品情報】
『伊藤くん A to E』

2018年1月12日(金)より全国ロードショー
配給:ショウゲート
(C)「伊藤くん A to E」製作委員会

文/永井勇成