(3)「医薬品」とは?税金が安くなるセルフメディケーション税制

 税金関連でもう一つ変わるのが、「セルフメディケーション税制」です。これは医療費控除の特例として創設されるもので、2017年1月1日から2021年12月31日までの期間限定の税制です。1年間にOTC医薬品を購入した金額の一部を所得税の課税対象から差し引ける制度です。

 セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること。予防接種、定期健康診断、がん検診などを受診して自分で健康増進や病気の予防に努めると、税の面でも優遇されることになります。

 具体的には、会社の定期健康診断や特定健診、予防接種、がん検診を受診した人が、自分や家族のOTC医薬品を購入した場合、1年間での購入額が1万2千円を超えると、その超える部分(上限8万8千円)を、所得税に対象になる「総所得金額」から差し引けます。たとえば、納税する本人と、生計を共にしている家族が、対象のOTC医薬品を年間合計5万円分買った場合、納税する人の総所得金額から3万8千円を差し引くことができます。差し引いた後に所得税率をかけて納税額が決まりますので、それだけ税金が安くなるしくみです。

 対象になるOTC医薬品とは、病院などで使われる医療用の薬を転用した医薬品のことで、薬局・ドラッグストアで市販されているかぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫薬、肩こり・腰痛などの湿布などがあたります。厚生労働省のホームページでは、セルフメディケーション税制の対象になる個別の医薬品リストを公表しています。また、一部の製品には、セルフメディケーション税制の対象になることを示すマークがついていますので、それでも確認できます。