注意点1 原則として60歳まで引き出せない

 確定拠出年金は老後の資金づくりのための制度ですから、原則として60歳まで引き出せません。

 一般的な企業型の確定拠出年金に加入している人は、お勤め先が掛金の全額を積み立て、従業員の自己負担はありません。ですから、「確定拠出年金に入れたお金を使いたいのに引き出せない!」と困ることはあまりないでしょう。これに対して、企業型に加入している人でも、自己負担で従業員が積立額を上乗せできる「マッチング拠出」制度がある場合や、「選択制」といって、会社が従業員に支給するお金を確定拠出年金に積み立てるか、「前払退職金」として受け取るかを選べる場合は要注意。お金を今の手取りにするか、60歳以降まで確定拠出年金に入れておくかを自分で決めるからです。

 毎月の掛金額は年に1回など、後から変更できるのが一般的ですが、一度積み立てたお金を引き出すことは原則できません。自己負担で積み立てるときには、近い将来に使うお金のことも考えておくことが大切です。

 自営業などで個人型に加入している人はより慎重に。積み立てられる掛金は月額6万8000円、年額81万6000円までと、企業型よりも高額なうえ、全額が自己負担だからです。事業の状況によって収入が変動するリスクもあります。自営業者には節税対策として確定拠出年金を積極的に活用している人も多いですが、手持ちのお金がショートしないよう考慮して積み立てましょう。