運用の利益も非課税、受け取り時にも大きな優遇が

 税のメリットはほかにもあります。一つは運用中の値上がり益や利子なども非課税であること。通常、株式や投資信託の運用益には20.315%の税金がかかりますが、確定拠出年金ではかかりません。もし1万円の利益が出たとき、税金がかかれば手取りは8千円弱になってしまいますが、確定拠出年金ならまるまる1万円を受け取れるわけです。

 さらに、受け取り時にも所得税の控除があります。年金形式で受け取る場合には「公的年金等控除」、一時金で受け取る場合には「退職所得控除」を使えるため、税金がかからないか、少額で済む仕組みになっています。例えば勤続38年の人は、退職金と合わせて2060万円までは課税されません。

 このように、確定拠出年金には税金の負担が小さくなるさまざまなメリットがあります。つまり、それだけお金を増やしやすい制度ということ。お金を増やすには、とにかく稼いで貯めるだけと頑張っている人は、方法を変えてちょっぴり楽してみるのもありですよ。

 ただ、たくさんのメリットがある確定拠出年金ですが、注意点もあります。次回はデメリットやその対策についてお話しします。

文/加藤梨里、イラスト/梶塚美帆

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