友人や家族を積極的に紹介するセーラームーン世代
セーラーチームの5人に衛を加えた6人で集まったり遊んだりするだけでなく、うさぎのいないところで4人の誰かが衛と話すシーンも、とても自然です。このように「親友の彼氏と交流する」ことが日常的なものとして刷り込まれたセーラームーン世代の女性たちは、友達カップルと一緒に食事を囲んだり、遊びに行ったりということに、年長世代(アラフォー以上)ほど抵抗がありません。夫婦同士、家族ぐるみの交流も、年長世代の比ではないほど活発です。
これは筆者の個人的感覚ですが、アラフォーカップルに比べてアラサーカップルのほうが、互いの友人を積極的に相手に紹介し、自宅に招きたがる傾向にあります。その場合、最も積極的なのは明確にアラサー女性(≒セーラームーン世代)です。日本は長らく、欧米諸国に比べて、妻が夫に自分の友人を紹介したり、夫が妻に自分の友人を紹介したりという習慣が希薄でした。しかし今、セーラームーン世代がそんな日本的慣習をグイグイと変えつつあります。
そして、もう数年もすれば、ちびうさを授かったうさぎと同じく「母親」になるセーラームーン世代が増えていくでしょう。リベラルな個人主義とオープンマインドを併せ持つ彼女たちのもと、子供たちはどんなふうに育つのでしょうか。少なくとも、友達に彼氏ができたからといってLINEグループから外すような子にはならない。そう信じたいものです。
次回の記事は9月6日に公開予定です。
文/稲田豊史 画像/(c) Naoko Takeuchi
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