異なる5人が集まったセーラーチームから学んだこと

異なる5人が集まったセーラーチームから学んだこと
異なる5人が集まったセーラーチームから学んだこと

 セーラーチームの5人、月野うさぎ、水野亜美、火野レイ、木野まこと、愛野美奈子の外見やパーソナリティは、何ひとつとして「同じ」ではありません。前回「セーラームーンを観て育った人はチームを大切にして働く」でも述べたように、5人は、趣味も性格も偏差値も恋愛観もまったく異なっていました。にもかかわらず、彼女たちは強い絆で結ばれています。

 セーラームーン世代は、親友であることと、趣味趣向が同じであることは無関係だと、セーラーチームから学びました。セーラームーン世代は、「人は人、自分は自分」をナチュラルに貫きながら、自分とはまったく異なる人間性の持ち主とも友情関係を結べるのです。

 セーラームーン世代の女性は「自分を殺してコミュニティの多数派に合わせること」に抵抗感を抱く大人へと育ちました。ただし、その個人主義的な考え方が、ときに集団内で鼻つまみ者扱いされたり、ゆとり世代的なワガママと切り捨てられたりすることも、しばしばあります。

 しかしそれは裏を返せば、多種多様な職業・学歴・年齢・価値観の持ち主とも交友関係を結べる能力に長けている、ということでもあります。その証拠に、セーラームーン世代は自分よりずっと年上の同性とタメ口で楽しくカウンター飲みをしたり、性的マイノリティの友人が何人もいたり、外国人ばかりのパーティーに顔を出したりということを、意気揚々とやってのけます。その交友関係の広さ、友人の「数」というより「バリエーション」の多彩さは、おそらく他の世代を圧倒しているでしょう。

 そしてもうひとつ、セーラーチーム5人の中で、うさぎにだけ明確な彼氏(地場衛=タキシード仮面)がいたのも、セーラームーン世代の価値観形成に大きな役割を果たしました。