情報は足で取りに行く

 異動の前に担当していたBIGLOBE Beautyの運営では、外部のメディアと連携したり、人気ブロガーに記事を書いてもらったりしていましたが、多くは部署内の人とのコミュニケーションで完結していたそうです。一方現在では、例えばプレスリリースを作るにもサービス担当部門、法務部門、配信担当者、上長と、多くの関係者とやり取りします。ほぼ完成していた原稿が突然変更になり、関係者間の再調整でハラハラすることも。

 「これまでは部署を越えたつながりがあまりなかったので、広報になってあらゆる部署と関わることができるのがとても新鮮です。KDDIから出向しているので、ビッグローブについて知らないことがたくさんあり、『もっと会社の全体を知れるところに行きたい』と思っていました」

 広報に異動したことで、「会社の全体を知りたい」という思いはかなえられたようです。

「取材の立ち合いで、自社製品がどのように使われているかを知ることも。貴重な機会です」
「取材の立ち合いで、自社製品がどのように使われているかを知ることも。貴重な機会です」

 ビッグローブは提供する製品やサービスが多岐にわたります。「広報としては会社の何を聞かれても答えられなければいけないので、とにかく覚えることが多く、勉強中です」。そうした状況で心掛けているのは、「分からないことはすぐ、直接聞きに行く」ことだそうです。

 「日々たくさんのサービスがリリースされるので、常に情報を追いかけています。新サービスの会見やプレスリリースに関わることになったら、もちろん自力でも調べますが、サービス担当者本人にも会いに行って詳しく聞くようにしています」

 あちこち顔を出すようにしているうち、社内のさまざまな部署に知り合いが増えました。これがとてもうれしかったといいます。

 「サービスの担当者のところへ通ううちに、その隣の席の人とも顔見知りになっていろいろ教えてもらえるようになったり。社内に知っている人が増えていくのが面白いですね。サービスに関する勉強や、人と会うことは総じて『インプット』と言えると思いますが、それが苦にならない人であれば広報という仕事を楽しめるのではないでしょうか」

文/藪内 久美子 写真/的野弘路