「即レス」「早めの行動」…信頼関係を築くコツ

――鈴木さんが、広報として一番大切にしていることはなんでしょうか?

 「信頼関係」ですね。自動車会社はたくさんありますが、何かあれば、「日産の鈴木に聞いてみよう」と、顔を思い浮かべてもらえるようになることを目指しています。そのためには、日々のコミュニケーションの積み重ねが大切。例えば、問い合わせを受けたらなるべく早めに対応する。すぐに回答できないときも、「これぐらいの時間がかかるので少しお待ちください」と必ずレスポンスを行い、相手を不安にさせない。こうした小さな積み重ねが信頼関係につながると思うんです。

 また、できるだけ直接顔を見て話す機会を大切にしています。季節の挨拶はもちろん、イベントを企画しているときは事前に訪問し、直接思いを届ける。「こんなことを考えていますが、どうでしょうか?」と、相談することで、興味を持っていただくことにもつながりますし、足を運んでいただけることも多いですね。

 他にも、メディアの人と接点を増やす方法として、2週間に1度、広報部でメルマガも発信しています。プレスリリースには載せないカジュアルなネタを4人のチームで発信。そこから新たなコミュニケーションが生まれることも多いんですよ。

――これまでの経験を踏まえ、広報として働くために必要なスキルを教えてください。

 スキルというよりも、人と接することが好きで、うまく周りの人に協力を仰ぐことができる「素直さ」が大事かなと思います。広報は、周囲の協力なしには成り立たない仕事なので、肩肘を張らないほうがうまくいく気がしますね。

背伸びせず、「ありのままの自分」でいいのだと気付いてから、気持ちがラクになりました
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取材・文/西尾英子 写真/吉澤咲子