企業の顔である「広報」。華やかな印象がありますが、実際に広報として働く女性は、日々、どのような業務をこなし、何にやりがいを感じているのでしょうか。また、広報に必要なスキルとは? 広報歴17年で、広報女性が集まるコミュニティー「広報ウーマンネット」の代表を務める伊藤緑さんに詳しく聞きました。

そもそも、広報ってどんな仕事?

――伊藤さんは、2001年からITベンチャー企業のケイ・ラボラトリー(現:KLab)で広報としてのキャリアをスタートされています。「広報」と聞くと、華やかな印象を持つ読者も多いと思います。実際、広報の方は日々どのような仕事をされているのでしょうか?

 記者会見に同席したり、自社記事のメディア掲載のために取材対応をしたりと、表に立つ華やかな面もありますが、それはほんの一部。プレスリリースを書いたり、企業用のSNSアカウントで情報発信をしたり、不祥事が起きた際は対応を迫られたりと、実は地味で「裏方」の仕事もたくさんあります。

 特に、事件・事故、不祥事などが起きた際の対応は重要。危機管理能力は、広報にとって不可欠のスキルだと思います。有事の際に、冷静さを保って行動することが大切です。

 例えば、大きな震災や災害が起きたときは、「お祭り」のリリースを出さない、などです。反対に、無償で自社製品を送ったり被災地に寄付をしたりする企業もありますよね。

 事件や事故が起きた後こそ、行動一つで社会からの評価が左右されると思います。

――裏方としての業務もたくさんあるんですね。他には、どのような業務があるのでしょうか?

 私が特に大切だと考えているのは、情報収集です。例えば、メーカーに勤めている方なら、自社商品について知ることはもちろん、業界内での自社のポジションや同業他社の情報を細かく収集することも重要ですよね。自社商品や業界の知識に加え、世の中のトレンドや社会で起きていることに敏感でいることが必要だと思います。

華やかなイメージが強い広報。でも、情報収集など裏方の仕事も重要なんです (C)PIXTA

「キャリアアップできる職種」として浸透

――業務内容は多岐にわたることが分かりました。ある意味、「専門職」として捉えることもできますよね。

 そうですね。最近、徐々に専門職として認められてきているので、「キャリアアップの一つ」として広報を目指す人も増えています。「PRプランナー資格認定制度」など、専門的な資格もありますが、「資格を取得したからといって、仕事がうまくいくとは限らない」のも難しさの一つ。

 また、企業によっては、経営企画室の一部に位置付けられていることもあり、さまざまな部署の人とコミュニケーションを取る場面が多々あります。ですので、「自分の会社の全体像をよく知りたい」と考える人にとっては、ぴったりの部署だと思います。以前はほとんどありませんでしたが、広報出身の経営トップも出てくるようになりました。