日本の伝統食品、梅干しの健康&美容効果が注目を集めています。7月30日(土)、ハービスHALL(大阪・北区)で開催された「WOMAN EXPO OSAKA 2016」では、梅の代表品種「南高梅」発祥の地から3人の女性をお招きし、セッション「世界農業遺産と梅で健康のまち・和歌山県みなべ町へようこそ」を開催。進行役の日経BP社日経BPヒット総合研究所 上席研究員・渡辺和博と共に、梅が持つ多彩なパワーやおいしい食べ方をはじめ、自然豊かなみなべのまちと暮らしについて語りました。

女優の綾瀬はるかさんも、梅干しに注目!
女優の綾瀬はるかさんも、梅干しに注目!

 セッションはみなべ町を紹介するVTRからスタート。同町は和歌山県のほぼ中央に位置し、丘陵地には南高梅の梅林が広がります。400年にわたって高品質な梅を持続的に生産し、日本一の梅の産地としても有名。地域資源を有効活用した農業システムは「梅システム」とも呼ばれ、国際連合食糧農業機関が認定する「世界農業遺産」にも登録されています。

 来場者は、南高梅の梅干しの入ったお弁当を食べながらVTRを観賞。実はこの梅干し、女優の綾瀬はるかさんも食べたことがあるとか。日経ウーマンの巻頭インタビューで綾瀬さんが「最近ハマっているのは梅干し」と語った記事をきっかけに、みなべ町が綾瀬さんにプレゼントしたのだそうです。

 VTRに続いて、この日の登壇者が自己紹介。中田紗希さんは3年前にUターンし、みなべ町の全国で唯一という「うめ課」の主事補を務めています。山下博美さんは梅農家を営みながら、WBS和歌山放送ラジオのパーソナリティーも兼務するというユニークなワーキングスタイルを実践。玉井せつ子さんは、VTRにも登場した梅の加工品を手がける梅吉食品の専務取締役。同社では、梅干しを主力に20種類以上の商品を製造販売しています。

みなべ町のさまざまな分野で活躍するみなさん
みなべ町のさまざまな分野で活躍するみなさん

梅干しはダイエットにも効果あり!

 梅干しが健康に良いことはよく知られていますが、その効能について渡辺さんが改めて解説しました。梅干しに含まれる物質「クエン酸」は、体内の疲労物質を排除するクエン酸サイクルを促進し、疲労を回復。独特の酸っぱさは唾液の分泌を促し、唾液に含まれるアミラーゼ・カタラーゼという酵素によって、消化を助けたり、活性酸素を減らしたりする効果が期待できます。また、お肉ばかり食べていると血液が酸性に傾き、便秘、肌荒れ、イライラの原因に。アルカリ性食品でもある梅干しは、酸性を中和させる働きに優れ、キュウリ900gに対して、梅干しなら5gで同等の効果が得られるそうです。

 最近のトレンドとして、「梅干しがダイエットに効果のあることが注目されています」と渡辺研究員。和歌山工業高等専門学校の研究により、梅干しが含有する物質「バニリン」が、肥満細胞に働きかけることが解明されたとか。「熱中症などの予防に、適度な塩分を摂取するのもトレンド。塩分をはじめ、ミネラルを豊富に含む梅干しは、暑さ対策としても有効とされています」(渡辺さん)。