いちばんリターンが大きいのは自分への投資

――管理栄養士の仕事と予備校を両立されているそうですが、どんな毎日でしょうか。

 「休日に予備校に通っているのですが、両立は正直しんどいですね。仕事以外の勉強は久しぶりで、特に数学や英語などは忘れてしまっていることが多く、いちから学び直しです。終業後、図書館で午後10時まで2~3時間の勉強、帰宅後も余力があれば1時間程度勉強しています。

 休日、予備校のある日は午前10時から午後5時まで勉強しています。予備校がない日は、最低限の課題だけをこなし、友達と出掛けたり、一人でふらっと出掛けたりと、適度に息抜きをしています」

――貯蓄はしっかりありますが、これまでも「使うところは使う」ことを意識していたそうですね。

 「はい、趣味の旅行代は惜しみません。国内旅行の場合は1回3万円程度を目安に、食べたいものを食べ、行きたい所へ行き、思いっきり使っています。また、脱毛サロンへの20万円の支払いも、長い目で考えれば必要な出費でした。ムダ毛処理の手間とストレスがなくなったので快適に過ごしています。

 社会人になってすぐに通った、管理栄養士の資格取得のための予備校代も、収入アップにつながる必要経費でした。自分の努力次第で確実に成果の出る自己投資は、どんな投資よりリターンが大きいと考えています。試験のポイントや最新情報を教えてもらえた上、強制的に勉強する環境をつくったことで飛躍的に学力が伸びました。自分で稼いだお金で通って、授業にどれだけの価値があるか理解した上での学びは、真剣度が違いますね(笑)。管理栄養士の資格手当がついたことで、当時の予備校費用は簡単に回収することができました。

 どちらも、一時的には高い出費でも、生活が楽になったり満たされたりするので、私にとって生きたお金だと考えています」

――一方で、「失敗した出費」もあるそうですね。

 「資格取得の通信教育の教材費、7万円です。私には通信教育が合わなかったんです。自分のペースでコツコツと学べる方には良い教材だと思うのですが、私は分からないところはすぐに質問したいので、手応えを感じられなくて。強制的に勉強する環境でこそ自分はやる気が出るタイプなのだと、通信教育をやってみて初めて分かりました。「気付き」を得られたので、必要な買い物だったのかもしれません。

 それ以降、買い物をする際には『これは自分にとって本当に必要か』を吟味するようになりました。無駄遣いが減ったことは、大きな収穫ですね」