【実践編】お茶を出す、ペンを拾う

 ここからは実践編として、相手にお茶を出すときと、床に落ちたペンを拾うときの所作をレクチャーしていただきましょう。

相手に好印象を持っていただくお茶の出し方

 「お茶をお出しするときにも、動作と言葉を分けてみましょう。カップを手に持ち、相手の目を見ます。そして『お茶でございます』と言った後、体を動かしてテーブルへと置きましょう。最後にもう一度、相手の目を見るのが基本のスタイルです。最後に相手の目を見るのは『どうぞゆっくりお茶をお楽しみください』という気持ちを伝えるためです」(河野さん)。

 さらに、カップの持ち方と置き方においても細やかな心遣いを忘れない。「カップは、口元に触れる縁のあたりではなく、できるだけ下のほうを持ちます。わしづかみにせず、そろえた指を優しく添えるように持つといいですね。カップを置くときには、勢いで中のお飲物がこぼれたり、カップが当たる音がしたりするのを避けるため、カップよりも先に小指がテーブルに付くようにします」と、スマートに実演する河野さん。

カップを置く動作は「お茶でございます」などの言葉の後で(左写真)。スッと伸ばされた背筋も、すがすがしい印象を与える。小指をクッションのように使えば、カップを静かに着地させられる(右写真)
カップを置く動作は「お茶でございます」などの言葉の後で(左写真)。スッと伸ばされた背筋も、すがすがしい印象を与える。小指をクッションのように使えば、カップを静かに着地させられる(右写真)