心の準備とゆとりのある動作

 口元と違い、目元の表情はテクニックではカバーしにくいもの。では、どうすればいいのでしょうか。

 「必要なのは心の準備です。相手のことを想像し、ポジティブな気持ちになる。そうすれば、ナチュラルで美しい目元になるはずですよ」(河野さん)。

 この考え方は、笑顔のみならず、所作やコミュニケーションの一つひとつにも通じます。品格を感じていただく上で、大切なのはテクニックではありません。最も大切なのは相手を思う気持ちなのです。

 では、その基本を押さえた上で、「品の良さが伝わる所作」について教えていただきましょう。

 「応用が利くテクニックとしては、言葉と動作を同時にしないことです。例えば、挨拶(言葉)をしながらお辞儀(動作)をするのではなく、挨拶の言葉を口にした後でお辞儀をすると、より丁寧な印象につながります」と河野さん。

「言葉と動作を同時にしないことがポイントです」と河野さん
「言葉と動作を同時にしないことがポイントです」と河野さん

 また、言葉・動作ともにゆったりとしたペースにすれば、さらにプレミアム感を高めることができるのだそう。

 「時間にゆとりがあり、上質なサービスを望む方には好印象を感じていただける方法だと思います。ただし、もしも相手が急いでいらっしゃるようなら、言葉と動作を同時に行うなどテキパキとしているほうがよいかもしれません。むしろ、お辞儀や挨拶は割愛して、まずは用件からお伝えすべきケースもあります。相手の状況に合わせて、臨機応変に対応したいですね」(河野さん)。