疲れをためない体をつくる、睡眠と食事の工夫

 さらに、健やかな体づくりのために彼女たちが重視しているのは、なんといっても睡眠と食事。どうやら、特別なケアをすることよりも基本的なことを押さえることが大切なのかもしれません。

 特に睡眠については、よりよい眠りのためにさまざまな工夫を取り入れているのだそう。

 「眠りにつきやすいのは、体温が下がるタイミングだという話を聞いたことがありますので、就寝前の入浴は大切にしていますね。日本のホテルではゆっくりと肩まで湯船に漬かれますが、海外のホテルでは日本と比べ浴槽が低いため、浴槽にお湯をためて足湯だけでもするようにしています」と上松さん。

「完璧な仕事をするためにも、まずはしっかりと睡眠を取らなければなりませんので、自分なりの眠り方を確立するまで試行錯誤を重ねてきました」と話す上松さん
「完璧な仕事をするためにも、まずはしっかりと睡眠を取らなければなりませんので、自分なりの眠り方を確立するまで試行錯誤を重ねてきました」と話す上松さん

 足元が温まれば気持ちもリラックスし、眠りやすくなるという実感があるのだそう。

 「足湯をするときは、ふくらはぎの中間くらいまでお湯に漬けられるといいですね。お風呂よりも少しぬるめのお湯で10分ほど温めれば、足のむくみも和らぎます。バスソルトやアロマオイルを入れたり、お湯に漬けた足をマッサージしたりするのもいいですよ」(大屋さん)。

 体が冷えて眠りにくいときには、湯たんぽを使うのもおすすめ。お二人が愛用しているのは、ドイツ製の赤ちゃん用湯たんぽ「Fashy」のbabylove。

 見た目のかわいらしさのみならず、お湯を抜けば単行本ほどのコンパクトなサイズに収まるうえ、軽いので携帯しやすいのだそう。「機内やホテルなど、どこででもお湯を入れれば足やおなかを温められるので心強いですよ」と上松さん。

上松さんが持ち歩いている湯たんぽは、愛嬌たっぷりなペンギン親子が目印(写真左)。柔らかくて肌触りも抜群。ラベンダーの香りのアロマミストは大屋さんのお気に入り(写真右)。就寝前、枕などの寝具に吹きかければ優しい香りが広がり、眠気を誘うのだそう
上松さんが持ち歩いている湯たんぽは、愛嬌たっぷりなペンギン親子が目印(写真左)。柔らかくて肌触りも抜群。ラベンダーの香りのアロマミストは大屋さんのお気に入り(写真右)。就寝前、枕などの寝具に吹きかければ優しい香りが広がり、眠気を誘うのだそう

 さらに、健康維持のための食生活の工夫として、大屋さんが教えてくれたのはショウガをたっぷりと取ること。

 「風邪気味のときには特に、生ショウガをすり下ろしてドッサリ食べます。温かい鍋に入れてもいいですし、冷たいうどんに合わせたりしてもいいですね。体がポカポカになって、体の不調を吹き飛ばしてくれるような気がします」(大屋さん)。

 また、上松さんが欠かさないのは、意外にもおにぎりと味噌汁。

 「コンビニのおにぎりを買うときもありますが、できるだけ自分で作って持参します。具には梅干しを入れることが多いですね。味噌は、海外に行くときにも必ず持っていきます。味噌汁があれば体が温まり、気持ちもホッと落ち着くんです」と上松さん。

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 CAさんお二人による体調管理術。時間やお金をかけて特別なことをするわけではなく、基本的なケアを着実に行うことが重要なのだと実感しました。

 そしてなにより印象的だったのは、お二人からにじみ出ていた「健康であること」への強固な意志。高いパフォーマンスを維持するためには、常に健やかな体をキープしていたい。そんな強い気持ちが、いつでも溌剌(はつらつ)としたCAさんたちの活躍につながっているのかもしれません。

文/西門和美 写真/工藤朋子 イラスト/PIXTA