前編「男女の結婚観をまじめに考察 なぜ男は『余裕』なのか」に続き、桃山商事の清田代表に男女の結婚観についての違いを考察してもらいました。こんなにも男女に考え方の違いがあったとは……。



女性たちの結婚観がやたらと「現実的」な理由

 女性たちから恋愛の悩みを聞き、コラムやラジオで紹介している、私「桃山商事」の清田が、男女別に行われた本音座談会を振り返りながら、そこから見える男女の結婚観の違いについて考えていくこの企画。前編「男女の結婚観をまじめに考察 なぜ男は『余裕』なのか」では、男性たちの「他人事感」と「謎の余裕」はどこから生まれているのかという問題について考えました。

 座談会での男性たちの発言や、かつて結婚を巡るすれ違いで恋人と別れた経験のある自分自身のことを振り返ってみると、「われわれ男は結婚について驚くほど深く考えていないのではないか……」という疑問が生じてきたわけですが、一方の女性たちはというと、すべての発言が驚くほど具体的かつ理詰めです。

女性たちの発言は実にリアル それに対して男性は… (C)PIXTA
女性たちの発言は実にリアル それに対して男性は… (C)PIXTA

 例えば「なぜ結婚したいと思うか」という質問に対し、女性参加者の一人はこのような回答をしています。

女性Dさん 社会人になってから、欲しいものを自分のお金で買えるようになって、行きたい所にも自由に行けるようになりました。だから自分の満足は、ある程度満たされた感じがしていて。次は誰かに「ありがとう」と言われたり、喜んでもらえたりする関係性が築ければうれしいなと思って、結婚したいと思うようになりました。仕事など、今後も頑張らなくてはならないことはありますが、自分一人の人生は十分満喫したので、「もういいかな」と思ったんです。次は「誰かのために生きたい」と思っています。

 また、「婚活に集中するために正社員を辞めて派遣社員になった」という別の女性は、その理由についてこう語っています。

女性Aさん 正社員として働いていると、性格的に仕事を頑張り過ぎてしまうので、労働条件がハッキリとしている派遣社員として働いて、婚活のための労力を残すようにしています。だからまさに今、「選択と集中」を実践している最中なんです。35歳までに結婚しようとリミットを区切っていて、それまでにできなかったら、その後は仕事に専念するつもりです。

 いかがでしょうか。自己を客観的に見つめ思ったことや考えたことを言葉にし、リミットを見据えながらロジカルに行動していく……。これらの発言が象徴するように、女性たちのスタンスはひたすらマジメで現実的です。

 もちろん、女性たちが好んでリアリスト(現実主義者)になっているかというと、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。背景には、妊娠のリミットを意識したり、周囲からの見えない圧力がかかっていたり、「女は結婚して子を産むべし」という規範意識を内面化していたり……という事情があるはずです。

 プレッシャーやリミットがもたらす厳しい状況にさらされている反面、結婚に対する思考やスタンスが(望む望まないは別として)研ぎ澄まされている……。これが女性たちの結婚観の実態と言えるかもしれません(つくづく、「他人事感」と「謎の余裕」にあふれた男性たちの結婚観との乖離(かいり)を感じざるを得ません)。