6月に公開した男性編、女性編の「結婚観」を聞いた座談会。男女さまざまな意見が飛び出しました。今回は、「失恋ホスト」としてこれまで1000件以上の恋愛相談に乗ってきた桃山商事の清田代表に、男女の違いを考察してもらいました。



「私たち」という単位で考える女、「俺」という単位で考える男

 男女別に行われた本音座談会。それぞれ4名の参加でしたが、匿名での開催ということもあり、男女共に本音がさく裂するスリリングな展開でした。個人的に興味深かったのは、表に出てきた「本音」が男女で異なっていた点です。

 というのも、女性の本音が「なかなか人に言いづらいけど本心で思っていること」というイメージだったのに対し、男性のそれは「無自覚ににじみ出てしまっていた男という生き物の実態」という感じがしてならなかったのです。

 それはどういうことか。具体的な発言に見られた男女の違いを紹介しながら、前後編でそのポイントや背景について考えてみたいと思います。

 どちらの座談会も、冒頭で「結婚相手に求めるもの」という質問が投げかけられていました。ここから既に違いが見られたのが面白いのですが、ちょっと発言を振り返ってみます。

【女性の座談会トークより、結婚相手に求めるもの】
Aさん→ お金と時間の使い方が合う人、他者が困っていることに気付ける人
Bさん→ 育ってきた中で形成された価値観が似ている人
Cさん→ 仕事以外で頑張れるものを持っている人、清潔感のある人
Dさん→ おしゃべりを楽しめる人、欠点のある人
【男性の座談会トークより、結婚相手に求めるもの】
Aさん→ 自分を持っている人、美的センスと価値観が合う人
Bさん→ 周りの人みんなに優しい人、仕事が好きな人、無言にならない人
Cさん→ 前向きな人、生命力のある人
Dさん→ 自分の友人と仲良くできる人、自分に依存してこない人

 さて、いかがでしょうか。みんなそれぞれという感じで、これだけでは違いが分からないかもしれません。しかし、「なぜこういった条件を結婚相手に求めるのか」という視点で考えてみると、見え方が少し変わります。

女性たちは結婚後をリアルにイメージしているのに対し、男性は… (C)PIXTA
女性たちは結婚後をリアルにイメージしているのに対し、男性は… (C)PIXTA

 というのも、女性たちはおおむね結婚後をイメージし、生活や子育てのことを考えた上で「相手に求めるもの」を割り出しているのに対し、男性たちのそれは、ほとんどが利己的な視点に立脚したものであることに気付きます。

 俺に負担をかけない人、俺のことを怒らない人、俺にとって楽な人……。女性たちが結婚を「私たち」という単位で捉えている一方、男性たちは単位が徹底的に「俺」でしかない。この違いはとても興味深いものでした。