男性たちが持っている「謎の余裕」と、驚くべき「他人事感」

 申し遅れましたが、私は「桃山商事」というユニットで、主に女性たちから恋愛の悩みを聞き、それをコラムやラジオで紹介するという活動を行っている清田と申します。日経ウーマンオンラインでも以前、「で、私の彼氏はどこにいるの?」という連載を担当させていただき、それが「生き抜くための恋愛相談」(イースト・プレス)という書籍にもなりました(宣伝です)。

 そういう活動をしているせいか、どうしても視点が女性寄りになってしまうと同時に、自分自身が男性であるため、自戒を込めて男の人にやや厳しめの目線を投げかけてしまいがちです。しかし、それを差し引いてもなお、今回の座談会で出た男性たちの本音には「それってどうなのよ……?」と思わず突っ込みたくなるところが多々ありました。例えば「女性からのアプローチ」に関する質問に答えたこの場面。

――付き合っている男性に、女性のほうから結婚のアプローチをするのはアリなんでしょうか?

Cさん 僕は、「もうあたしでいいじゃん!」と言って、笑って押し切ってくれるくらいの女性もすてきだと思います。それぐらいの人じゃないと、何かもう結婚に踏み切れない気がするので(笑)。

――逆プロポーズもOKなんですね。

Cさん 女性からは情けないと思われるかもしれませんが、それくらいの勢いでこられないと、こっちからはなかなか……ね。

Bさん 自ら婚約指輪を持ってきてくれるとかね(笑)。

Aさん 僕たちには、お膳立てが必要というか(笑)。

Cさん 指輪のカタログを持ってきて、「コレ買って」みたいな。そしたらたぶん、ちょっと面白くて買っちゃいますよ、婚約指輪。「君、面白いねえ」って思って(笑)。

 女性たちから「(笑)じゃねえぞゴルァ」という怒りの声が聞こえてきそうですし、個人的にも正直しょーもない発言だなと思いますが……彼らは決してクソメンというわけではありません。この感じは他の男性たちにも広く共通するもので、かく言う自分の中にも似たようなマインドが宿っていないとは言い切れず、読みながら「うっ……」と苦しい気持ちになりました。

 ここに見られるのは、結婚に対する驚くべき「他人事感」と、「僕たちには、お膳立てが必要」や「君、面白いねえ」といった発言に代表される「謎の余裕」です。これは女性の座談会には全く見られなかったもので、男性の結婚観に特有のものではないかと思われます。