アラサーにもなれば、周囲で結婚する人が増えたり、何となく「そろそろ結婚したほうがいいのかな?」と悩んだりする人も多いはず。ですが、結婚って「当たり前」なのでしょうか? 一人で生きていく道を選ぶのは「変わり者」? そこで、アラサー女性4人に集まってもらい、独身女性座談会を開催。今回は、結婚に対するプレッシャーや、結婚後の生活に関する価値観などを語ってもらいました。
ちなみに【男性編】はこちら
◆第1回 男性本音座談会 僕たちが結婚したい「いい人」の条件
◆第2回 30代男性「結婚に焦りはない、自分から告白しない」
Aさん=31歳、商社・営業事務。母は4歳まで専業主婦、その後 家業の手伝いを経て、中学の時から本格的な共働きに。二人きょうだいの長女。千葉県出身。
Bさん=34歳、サービス・広報。幼い頃から母は共働き。二人きょうだいの長女。和歌山県出身。
Cさん=34歳、保険・企画。母はパート勤務。4人きょうだいの長女。千葉県出身。
Dさん=29歳、新聞・編集。母は小学校まで専業主婦、中学から共働きに。二人姉妹の次女。東京都出身。
結婚も呪縛の一つ? 自分で自分にプレッシャーをかけてしまう
――親や周囲から、結婚のプレッシャーをかけられたことはありますか?
Bさん あります。第2回の座談会で、「結婚しようと思っていた彼と25歳の時に別れた」という話をしましたが、そのことがきっかけで、母と泣きながらケンカをしたことがあります。
Cさん 何でケンカになったんですか?
Bさん 当時付き合っていた彼と別れた時に、「私はもうこのまま結婚しない人生を歩むんだろうな」と思って、母に「私は一生結婚もしないし、子どもも産まない」って言ったんです。そしたら母が泣きながら、「男なんて彼以外にもたくさんいるのに、何言ってんの!」と。
Dさん でも、彼と別れてショックを受けてる時には、すぐに他の人なんて考えられないですよね。
Bさん そうなんです。だからケンカになってしまって。その後28歳くらいになって、ようやく私も「結婚してもいいかも」という気持ちにはなれたんですが……。
Aさん 都合よく、すぐに結婚相手が現れてくれるなんてことはないですもんね。
Bさん はい。その時にも母に、「あなたが人を選び過ぎてるのよ」と言われて。私としては、結婚に対して前向きにはなれたけど、「誰でもいい」というわけではなくて。だから、結婚に関する意見が全然一致しないんです。今も、弟が子どもを連れて実家に帰ってきたときには、「あなたの子どもはまだ?」ということは言われます。
――話を聞いているだけで、プレッシャーに押し潰されそうでした……。他の方はどうですか? 「早く結婚しなさい」と、親に言われることはありますか?
Aさん 逆にプレッシャーをかけないように、気を使ってくれてますね。だから周りの人は優しいけど、自分で自分にプレッシャーをかけている面はあります。ただ、10代のいとこたちは、無邪気に「まだ結婚しないの?」と聞いてきますが(笑)。
Cさん 私は一時期「結婚しなさい」と言われていましたが、「そんなに結婚してほしいなら、私が結婚したいと思える男性を連れてきてください」と言ったら、何も言われなくなりました(笑)。
Dさん 私は「結婚しなさい」とは言われないです。でも実家に帰ると、毎回「彼氏できた?」とは聞かれます。私としては、頑張って婚活をしているのになかなか好きな人ができないから、プレッシャーをかけられてるわけではないのに、自分を責めてしまうというか。すごい自分にげんなりしてしまうというか……。
Aさん・Bさん 分かります!
Dさん 「私、人のことを好きになれない病気なのかな?」と思ってしまうことがあります。
Aさん 私も、昔は親に「誰と会うか」なんて報告はしなかったんですけど、今はするようにしています。親を安心させるために、「今度、知り合った人とご飯行くから」と、彼氏ができる手前の中間報告をするようになりました。
結婚していない私は「未熟者」なの?
――世代や個人の差はあれど、「結婚=女の幸せ」という固定観念は強固ですよね。一つの幸せの形ではあると思いますが、「それがすべて」になりかねない危うさがあるというか。
Aさん 小さい頃から、大人同士が「○○さんちの○○ちゃんは、まだ結婚してないんだって」というような世間話を聞いて育ちますしね。結婚していないと、なぜか「未熟者」「変わり者」という偏見を持たれることもありますし。
Bさん 私は小さい頃から、「25、26歳になったら結婚するんだろうな」と思っていました。母が25歳で私を出産したので、自然と「自分もそうなるんだろうな、大人ってそういうものなんだろうな……」と。
Cさん 確かに。周りがそうだったから、自然と同じように考えることってありますよね。
Bさん 私の母は、自分が仕事も家庭も両立させていたから、「仕事と結婚、両方手に入れられるでしょ」というスタンスでいるんです。だから仕事をしていたとしても、「結婚が女性の幸せの形」だという考え方は揺るがないんです。最近は、「一回失敗してもいいから、取りあえずしてみたら」とも言っています。
Aさん 小さい頃からのすり込みで、自然と「結婚したい」と思うようになる部分はあると思います。でも、すり込みだと分かっていても、私は結婚したいです。「結婚して子どもがいる」というイメージを持って成長してきたので、「一人で生きていく」というイメージを持っていないんですよね。
Cさん 日本では「女性は結婚して幸せになる」というイメージが根強いですよね。もう、遺伝子レベルでインプットされているんじゃないか……と思うほどに。フランスなどでは、結婚しなくても子どもを育てられる環境や法制度が整っていると聞くので、「国によってだいぶ結婚観は違うんだろうな」とも思います。
――日本も「結婚するのが当たり前ではなくなった」と言われますが、それは「結婚しないことを選択する人が増えた」というよりは、「結婚できない人が増えた」というニュアンスが強いように思います。
Aさん 「結婚したいですか?」とは聞かれますが、「独身でいたいですか?」とは聞かれないですもんね。一人でできることはたくさんあるし、独身で充実している人はいるのに、そういう質問ってされたことがないです。
Cさん そうですね。暗黙の了解という感じで、「独身」「一人」という言葉に、肯定的な意味付けがされていないな……と感じます。私自身は、好きな人がいないことに対する焦りもないし、すごく結婚にこだわっているわけでもないから、「結婚したいです!」と全力で答えられる感じではないんですけど……。